免許持ちは56.4%…2020年の新成人の普通自動車運転免許の所有状況をさぐる
今年は1月13日に行われる成人式。その式典に参加する新成人の自動車との距離感を推し量る指標の一つとして、普通自動車運転免許の所有状況を、ソニー損害保険が2020年1月に発表した調査報告書「2020年 新成人のカーライフ意識調査」(※)から確認する。
次に示すのは今調査対象母集団における、回答時の普通免許所有状況。元資料ではオートマ限定とマニュアルの区別も行われているが、今件では一つにまとめて計算している。
全体では56.4%が既に保有、3.6%が教習所に通って取得最中、そして22.5%が時期は未定だが免許を取る予定があるとしている。免許を取るつもりが無い人は17.5%。
属性別に見ると男女別では男性の方が普通自動車運転免許の保有には積極的で、回答時にはすでに6割近くが免許を保有している。また免許を取る予定が無い人の率も女性の方が高い。男性の値が高いのは、仕事などで必要性が高いのが要因だろう。
必要性との観点では都市部在住者よりも地方在住者の方が、自動車運転の必要性は高く、免許保有者率も高い。特に都市部女性は3割強が「予定無し」と回答している。
結果として男性・地方の人は免許保有者率が高く、女性・都市部の人は低い。男性・地方の人はすでに62.1%が保有、他方女性・都市部の人は40.8%しかいない。多分に自らの自動車運転に対する必要性の度合いが、免許保有状況にも反映されていると見てよい。
上記グラフでは一体化した、オートマ限定の免許(オートマチック車に限り運転できる免許)とマニュアル免許だが、昨今ではオートマ限定による取得者が増えている。
男女差ではおおよそ一定の差がついたまま、男女ともにオートマ限定の保有者率は上昇中。2019年の突出はどうやらイレギュラーな動きだったようだ。
直近年においては普通自動車運転免許保有者全体では2/3近くがオートマ限定・1/3強はマニュアル、女性の圧倒的なオートマ限定傾向、地域差ではいくぶん都市部の方がオートマ限定傾向が強い。都市部の女性はほとんどがオートマ限定で、マニュアル免許保有者は1割台でしかない。自動車そのものの需要傾向にも小さからぬ関係がありそうな結果ではある。
■関連記事:
80歳以上でも約4割は運転免許を所有、2割近くは毎日運転している実情
免許はあるけど自動車持っていない人、その理由は「維持費がかかる」「公共交通機関で十分」
※2020年 新成人のカーライフ意識調査
2019年11月8日から11月15日にかけて2020年の新成人男女に対しインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000件。男女比は1対1。調査実施機関はネットエイジア。なお今件調査における「都市部」とは、市・区における人口ランキングの上位都市(1位から8位)である、北海道札幌市、東京都23区、神奈川県横浜市、愛知県名古屋市、京都府京都市、大阪府大阪市、兵庫県神戸市、福岡県福岡市。それ以外はすべて「地方」。過去の調査もほぼ同条件で実施されている。
(注)本文中のグラフや図表は特記事項の無い限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。
(注)本文中の写真は特記事項の無い限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。
(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。
(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。
(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。
(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。