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台風5号は暴風域とともに北上中!北日本に上陸のおそれも…関東~九州も雷雨に注意:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
9日9時の予想天気図(気象庁HPより)。台風5号はやや発達しながら北上する見通し

台風5号は当初、そこまで発達せずに北上する予想でしたが、9日早朝に発表された予報円から暴風域、つまり立っていられないほど強い風が吹くエリアが加わりました。
さらに予想進路がやや西よりに変わり、連休明けに東北~北海道に上陸するおそれも。

また、関東以西の地域でも暖かく湿った空気の流入は続き、9日も突然の雨や雷への注意が必要な状況が続きそうです。

東北太平洋側は3連休に暴風域に入るおそれ

台風進路予想図(気象庁HPより)
台風進路予想図(気象庁HPより)

台風5号は海面水温が30度前後ある小笠原付近を進みながらやや発達していて、今後は暴風域を伴いながら北上する予想に変わりました。
特に関東・東北の太平洋側では、3連休中〜連休明けに暴風域に入るおそれがあります。

進路も、日本のはるか東に中心を持つ高気圧が西へ(つまり日本の側へ)張り出す見通しになり、この高気圧に押されるような形で東北または北海道に上陸するおそれが出てきました。
まだ予報円が大きく予想にブレがあるものの、上陸した場合は影響が大きくなるため、最新の情報を確認するようにしてください。

全国的に雷雨に注意、東海はフェーン現象で40度迫る酷暑に

9日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
9日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

9日の天気は、簡単に言ってしまうと、晴れ間はあるもののほぼ全国で雷雨のおそれがあります。

細かく見ていくと、まず日本海から接近する、寒気を伴った上空の気圧の谷の影響で、北海道~東北北部、それに西日本で大気の状態が不安定に。
また、東北南部~東海では北東の風によって暖かく湿った空気が流れ込み、激しい雨のおそれも。
さらに沖縄は先島諸島を中心に熱帯低気圧が残した暖湿気の影響で雨が降りやすい状態が続きます。

つまり、ほぼ全国的に注意、です。

また気温については、フェーン現象がききやすい条件がそろう東海地方で特に高くなる見通しで、名古屋の最高気温は39度の予想です(気象庁予報、9日0時時点)。

来週は新たな熱帯低気圧が北上するおそれも

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

来週はお盆休みに入る人も多いと思いますが、南の海上では新たな熱帯低気圧が発達するおそれがあります。

帰省や旅行で長距離の移動を予定している方も多い時期ですが、最新の情報を手に入れつつ、できる限り予定を柔軟に変えられるよう備えておいてください。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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