Nintendo Switch後継モデル、性能は控えめだが品薄になりにくい可能性
Nintendo Switchの後継モデル、通称「スイッチ2」が発表・発売に向けて準備中であることは、すでに現行スイッチが7年目を迎えている事実からも確実です。
もっか焦点は「いつ、任天堂が正式発表・発売するか?」にあり、先日も2025年3月に発売されるとの見方が有力になっているとお伝えしました。
もっとも、発売日に関しては任天堂がいつでも変えられることで(販売店やパートナーとの絡みで完全に自由ではないにしろ)、要は「ゴールポストを動かせる」ので確たることは言えません。
次に関心が集まっているのが、スイッチ2はどれほどの性能があるのかということ。これにつき、著名リーカー(未発表製品の情報を集めて発信する人)がXbox Series Sには及ばないと予想しています。
スイッチ2の(素の)性能はXbox Series Sに及ばない?
未発表のGPU情報に詳しいKepler氏は、スイッチ2に搭載が噂される「T239」チップがXSS(Xbox Series S)の性能に達することはあり得ないとXにてポストしています。
ここでいうT239とは、NVIDIA製Tegra Orin(T234)チップのカスタマイズ版とされるもの。ざっくり言えば、T239が車載向けでサイズが大きすぎるため、性能を抑えて小さくしたバージョンです。
NVIDIAがT239を開発していることは、まずNVIDIA関連で信頼性が高いリーカーが報告し、昨年Kepler氏ほか複数の識者らが裏付けていた経緯があります。
現行スイッチの搭載チップTegra X1も、やはりNVIDIA製のチップ。同じメーカー製のため後方互換性、つまり「スイッチ2で現行スイッチ用ソフトを動かせる」ことも実現する可能性が高いと見られているわけです。
さてKepler氏の話に戻ると、T239が「デスクトップSoC」だったとして、すなわち電力が豊富に使えて速度も上げやすい据え置きPC用のチップだったとしても、Xbox Series Sに負けるだろうと付け加えています。
スイッチ2がドックに挿したフルパワーの状態でも、素の性能がXbox Series Sに全く敵わないとの予想は、ゲーム業界のインサイダー情報に詳しいYouTubeチャンネルRedGamingTechも述べていたことです。
チップ性能を抑え、超解像技術により補完かも
しかし、それは単純にメインチップのみの「素の性能」に限った話です。
ほかスイッチ2は超解像技術=「まず粗い解像度で描画しておき、処理の負担を軽くしてAIにより解像度をアップする」やレイトレーシング(よりリアルな光の表現を可能とする技術)用のハードウェアを実装し、少なくともプレイヤーの目に映るゲームはPS5やXbox Series Xに匹敵するほど美しくなると予想されています。
実際、海外のゲームイベントで任天堂が行った「技術デモ」で、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』が4K解像度・毎秒60フレームで動いていたのを見たとの証言もあります。
要はチップを控えめな性能にしながらも、最新技術を合わせて使うことで、ゲームの見かけは現行スイッチより遙かに美しくなる可能性があるわけです。
最先端チップを「使わない」ことで品不足を避ける?
またスイッチ2搭載チップ(T239)は8nmプロセスで製造すると、未発表CPUやGPUに詳しいYouTubeチャンネル「Moore’s Law is Dead」ほか複数の情報源が伝えています。
この「○nm」とは半導体の回路線幅のことで、数字が小さくなればなるほど世代が新しく、消費電力が減り、性能が向上する傾向があります。初代PS5は7nmチップを搭載していたので、それより「最先端ではない」わけです。
そして「最先端でない」ことは、ゲーム機ビジネスではマイナスどころかプラスになり得ます。最先端チップの製造ラインはメーカー同士の争奪戦になりやすく、製造コストも高くなりがち。
その点8nmチップなら、製造不足に陥りにくく、スイッチ2も品薄になりにくくなるはず。実際、世代が古いTegra X1(当初は20nm)を積んだスイッチは、PS5やXbox Series X|Sのような品不足とはほぼ無縁でした。
任天堂が2025年3月と発売予定を遅めにしたのも、初期のスイッチのように品薄や転売を避けるためだと日経報道は示唆していました。これらの観測が当たっていれば、スイッチ2は転売屋の餌食とならず、欲しい人達がスムーズに入手できそうです。