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【他人より優れていたい】という心理。「負けず嫌い」と「優越感情」と「劣等感情」「嫉妬心」について。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「他人より優れていたい」というテーマでお話したいと思います。

では、早速。
人は、誰もが負けず嫌いです。そう、負けることが嫌いなのです。勝負ごとにおいて、負けるということは、生存競争に敗れたことを意味します。自分の生命の危機を感じる。それが負けるということなのです。

今、申し上げたように、誰もが負けることが嫌いなのですが、程度の差はあります。負けることを凄く嫌がる人がいるいっぽうで、負けることをさほど苦にしない人もいます。この差は、育てられ方にも拠るのですが、生まれつきに決まっていることでもあります。

また、「あの勝負は負けてもいいが、この勝負は負けてはいけない」等、自分がこだわりを感じている…ということもあります。「頭の良し悪しは負けてもいいが、美貌に関しては負けてはいけない」等、このあたりは本当に人それぞれです。

さて、人は誰もが負けず嫌いなのですが、嫉妬深い嫉妬深くないに関しては、個人差が非常に大きいです。「人の自慢話を聞くのが堪えられない」「人の幸福を見るのがイヤ」「人の成功談は聞きたくない」「人が人を褒めている場に遭遇するのは苦痛」等とおっしゃる人は、相当に嫉妬深い人ということが言えそうです。

嫉妬深い嫉妬深くないに関しては、負けず嫌いよりもさらに、生まれつき性格が大きなウエートを占めます。そう、生まれつき、嫉妬深い人と嫉妬深くない人がいるということです。

この記事をご覧のあなたは如何でしょうか?
嫉妬深い人でしょうか? それとも、嫉妬深くない人でしょうか?

人によっては、「精神状態がいい時は嫉妬深くないが、精神状態が悪い時は嫉妬深くなる」とおっしゃる人もいるのですが、「精神状態の良し悪しに関わらず、常に嫉妬心が強い」とおっしゃる人もいます。

日本語で嫉妬心というと、大変に悪い印象を持たれるのですが、嫉妬心は、使い方次第です。要するに、良い方向で使えば、自分を成長させる方向に力を発揮しますし、悪い方向で使えば、人の足を引っ張る方向に力を発揮する…ということです。

キャラ診断(生まれつき性格)でいえば、お父さんタイプと長男タイプと二男タイプが、嫉妬深いです。彼らは、「私は、他人より優れた存在でいたい」という気持が強いので、常に人と自分を比べ、己の内から盛り上がる嫉妬心と戦っています。

ここまでお話ししてみて、しみじみ、「性格とは、防衛機制なんだな」と思います。嫉妬心が強い人は、自分に身を護るためには、他人より優れた存在でなければならないと、本能的にそう思ってらっしゃるということです。

嫉妬心が強い人は、自分の子どもにさえ、嫉妬します。本来なら、自分の子どもの成功は、製作責任者である自分の成功に他ならないと考えても良さそうなものなのですが、お父さんタイプや長男タイプや二男タイプは、なかなかそうは思えない…ということです。

私のカウンセリングルームにも、自分の嫉妬心で悩まれている人がご来室されることがあるのですが、いつも私は、「嫉妬心は、半分以上は生まれつきのものなので、直すものでも直るものでもなく、活かすものなのですよ。だからそんなに忌み嫌わないでやってください」と、お話ししています。

世の中には、「自分と他人を比べるな」ということが書かれてある自己啓発書が数多く見られますが、それはマジョリティであるお母さんタイプの人が書かれた本であり、お父さんタイプや長男タイプや二男タイプの人にとっては、「他人より優れていたい」という気持が本能レベルで強いため、「自分と他人を比べるな」ということは無理、非常に難しい…ということが言えそうです。

よって、今日の記事の結論としては、「『他人より優れていたい』という気持は、生まれつき性格によるところが大きいので、その気持は、直すものでも直るものでもなく、活かすものですよ」いうことになります。

生まれつき性格を知るキャラ診断について、もっと深く知りたいとおっしゃる方は、どうぞお近くのキャラ診断アドバイザーをお訪ねください。

というわけで、今日は、「他人より優れていたい」というテーマで、お話させていただきました。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。

心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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