「AKB48襲われる、握手会で男が刃物振り回し川栄李奈さんら3人負傷」:社会と心のバランスと防犯
■AKB握手会で男が刃物をふるい川栄李奈さんら3人けが
AKB48の握手会での事件です。詳細は不明ですが、けがの程度が心配です。
■加害者の精神状態
常識的に考えて、普通の犯罪ではありません。通常の犯行動機は、金銭目当て、人間関係のもつれなどですが、今回はどちらでもないでしょう。また通常の犯人は犯行を隠そうとしますが、今回は大勢の目の前での犯行で、その場で取り押さえられています。
可能性としては、まず「通り魔」的な犯行が考えられます。人生に絶望し、自分もこの世の中も終わりにしたいと思った人が、楽しそうな人々を無差別に襲う犯罪です。
しかし、逮捕された男性が握手会のチケットを持ってこの会場に入ったとするならば、通り魔的無差別犯罪ではなく、「ファン」としての行動とも考えられます。
「ファン」もいろいろです。熱烈なファンもいます。かなりの時間とお金をつぎ込む人もいます。本気で、その芸能人と結婚したいと考える人もいます。「ファン」などと軽く呼ぶなと怒る人もいるほどです。
ただ、もちろんこのような人が、おかしな人でも危険な人でもありません。熱心なファンと言えるでしょう。
でも、このような熱心さが病的なほどに高まり、歪むことがあります。これまでも、芸能人に危害を加えてきた人の多くは、「ファン」でした。普通のファンからすれば、とんでもないひどい行為ですが、本人とすれば熱烈なファンである故の行為です。
こんなに好きなのに、こんなに信頼していたのに、裏切られたと感じて、危害を加える人もいます。それは、相手に危害を加えようとするストーカー犯罪の心理に近いものでしょう(ストーカー対策の基本・加害者の心理:被害者、加害者にならないために)。
可能性としては、さらに大きな精神のゆがみを持っていたことも考えられるでしょう。一般の人には理解できない病的妄想を抱いていた末での犯行の可能性もあるでしょう(この場合は責任能力が問われるでしょう)。また、覚せい剤などの何らかの薬物か絡んでいる可能性もあるでしょう。起訴前の精神鑑定も考えられます。
逮捕時の様子、供述などが待たれます。
*たった今見たテレビ報道によると、逮捕された男性は、犯行を認める供述をしているそうです(わけのわからない話ではなく、ある程度まともな供述をしているようですね)。
■微妙なバランスの上に立つ私たちの社会と心
AKB48握手会。大勢の人が、芸能人と握手をします。強い悪意のある人が一人でもいたら、成り立たないイベントです。それは、映画館でも混雑する駅でも同様でしょうか。一人が大声で騒いだり、誰かが他の人を押して線路に落とすようなことがあれば、大変です。映画の上映も電車の運行もできなくなってしまいます。
私たちの社会は、微妙なバランスの上で成り立っています。日本はとても治安がよく、礼儀正しい人が多いので、劇場も、駅も、かなり混雑しても秩序が保たれるのでしょう。
今回被害にあった方々の回復をお祈りしております。重傷でなければ良いのですが。
怪我が軽かったとしても、心の傷は深いことでしょう。被害者も、会場にいた方々も、どれほど恐ろしいめにあったことでしょう。場合によっては、体の傷以上に、心の傷の回復に時間がかかるかもしれません。
事件の詳細はまだ不明です。ただ、私たちは社会と心のバランスを保つために、全力を尽くしたいと思います。大きく報道されるニュースだからこそ、関係者一同の協力が必要です。
私も仕事で芸能界の人に時折お会いしますが、多くの芸能人は良い人に感じられます。多くのアイドルは、みんな一生懸命な人たちで、一緒にスタジオにいると元気がもらえます。握手会は、ファンの方々との信頼関係の中で行われてきたイベントですから、この事件を何とか乗り越えてほしいと願っています。AKB48は、少女たちの成長の物語なのですから(少女達の成長:エンカウンターとAKB48と感動と)
今回の事件がどのような方向に行くかはまだわかりませんが、社会全体としても、被害者保護とともに、同様の犯罪を防止する方策をしっかり考えていきたいと思います。
■防犯のために
テレビ等報道のファンの話によると、握手会では手に何か持っていないかどうかのチェクはあっても、荷物検査などはなかったそうです。AKB側は今回の事件に関して、「卑劣な行為」と糾弾し、警備については万全だったと強調しています。しかしこのような事件が起きると、手荷物チェックとか、金属探知機といった、さらなる防犯に関する話もでるかもしれません。たしかに安全第一です。
AKB握手会事件で余波 NMBハイタッチ会を中止デイリースポーツ 5月25日
主催者側からではなく、ファンの側からも、防犯への協力の声が上がるかもしれません。
しかし、アイドルとファンの距離が遠くなってしまうことは、みなさんも望んでいないでしょう。これは、可能性の一つなのですが、もしかしたらこの男性が握手の行列に並んでいる時、何か不自然な様子が見られたかもしれません。自宅を出るとき、いつもと違う様子が見られたかもしれません。その時、だれかが一言声をかけていたら、もしかしたら事件は起きていなかったかもしれません。
刃物を直接見なくても、血走った目をしていなくても、何か不自然な感じがすると、私たちは直感で感じ取ることもあるのです。
<直感の心理学:ウソや詐欺にだまされず、すてきな恋や子育てに役立て、命を守るために>
互いに関心を持つこと、コミュニケーションをとること、それは防犯の基本と言えるでしょう。
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