野球殿堂入り投票結果の報道はもっとプロセスの論評を
野球殿堂入り投票結果の発表は、野球界の年間カレンダーの中でもかなり重要なイベントだが、その発表翌日のスポーチ紙一面は(野球ファンには)残念ながらSMAP一辺倒だった。ぼくはベッキーが不倫相手の奥さんに謝る必要がないのと同じように、彼らは謝罪する必要がないと思うのだけれど、これは芸能コラムではないのでこれ以上深入りはしない。
しかし、ワイドショーだけでなく報道ニュースまでがSMAPを追いかけるのには戸惑いと失望を禁じ得ない。そして、SMAP報道ほどではないけれど、野球殿堂入り投票結果の報道にももう少し何とかして欲しい、と思うところがある。
それは、スポーツ紙も一般紙もそうなのだけれど、その報道はだれが殿堂入りしたかという結果と殿堂入りした人たちの紹介に留まっていることだ。今回の競技者投票結果は比較的順当で、斎藤雅樹も工藤公康も当然だと思うし、エキスパート表彰で榎本喜八が(遅きに失した感はあるが)選出されたのも喜ばしい。だけど、メディアにはぜひ「プロセス」も報じて論評して欲しいと思う。
今回、プレーヤー部門で選出された2名(斎藤285票、工藤258票)に次ぐ票を集めたのは伊東勤で172票だが、ぼくは清原和博(76票)や石毛宏典(69票)のほうが上にくるべきだと思う。また、大村直之(2票)や村松有人(1票)に貴重な票を投じた記者がいるとは嘆かわしいことだ。このような「プロセス評価」に「来年の予想」なども各紙が独自の視線で発信してくれると、もっとファンを啓蒙できると思う。現状では、メディアを啓蒙しなくてはならない状態だ。