前年比で1169人増…熱中症での救急搬送人員数は1週間で2568人(2021年7月5日~7月11日)
・直近週における熱中症による救急搬送人員数は2568人(2021年7月5日~7月11日)。
・年齢階層別では乳幼児が1.2%、少年が11.4%、成人が31.3%、高齢者が56.1%。
・地域別では愛知県の218人がもっとも多く、次いで東京都の194人、神奈川県の182人。
総務省消防庁は2021年7月13日、同年7月5日~7月11日の1週間における熱中症による救急搬送人員数が2568人(速報値)であることを発表した。消防庁が確認している今年の累計人員数は9939人(速報値)となっている。初診時に熱中症を起因とする死亡者は6人が、3週間以上の入院加療が必要な重症判定を受けた人は59人が確認されている。なお前年2020年の同時期における熱中症による救急搬送人員数は903人(確定値)で、今回週の人員数はそれと比べると2.8倍ほど多い。
昨年に続き今年の夏も法的拘束力のある電力使用制限令、または数字目標のある節電要請、さらに数字目標無しの節電要請ですら必要は無い。しかし東日本震災から10年が過ぎた今なお、電力需給の観点で不安な状況が継続していることに違いはない。
また2021年5月時点で気象庁が発表した最新の暖候期予報では、平均気温は平年と比べてやや高め(北・東・西日本で平年並または高い確率ともに40%、沖縄・奄美で高い確率50%)とのこと。降水量も平年と比べてやや多めとの予想(北・東・西日本で平年並または多い確率ともに40%)もあるが、熱中症リスクの観点では要注意な状況と判断できる。さらに今年は新型コロナウイルスの流行で、マスク着用を求められる場面が多いことから、熱中症には一層の注意が必要。
消防庁では例年と同じように熱中症による救急搬送人員数の調査とその結果報告について、5月初日が含まれる週の月曜となる4月26日から開始する形で、逐次報告を行うことを2021年4月8日の時点で発表している。なお昨年2020年は新型コロナウイルス流行へ対応する消防のリソースを最優先するために平年の開始予定から延期され、調査開始は6月初日が含まれる週の月曜となる6月1日からとなっていた。
今回発表された各種値は今年の分としては第11週目のものとなる。現時点では速報値であり、今後逐次確定値に切り替えられることになる(確定値は速報値よりもいくぶんの増加が生じることが多い)。
地域別では愛知県の218人をはじめ、東京都の194人、神奈川県の182人、千葉県の161人などが人数の上で上位についている。人数で見ると人口密集地帯に多い感はある。
消防庁では今件熱中症の救急搬送者の統計ページにおいて、熱中症対策のリーフレットを配布している。また、関連省庁の熱中症に係わるページへのリンクも配し、さまざまな官公庁の対策状況や情報を確認できる。各自治体でも情報提供を展開中(一例:【熱中症に注意しましょう(横浜市 健康福祉局)】)。
7月に入り沖縄・奄美地方、そして九州南部・北部、さらには中国地方でも梅雨が明け、気温は高くなり、真夏日を観測するなどで熱中症のリスクに留意しなければならない気候となっている。特に今年は新型コロナウイルスの流行という特殊要因が加わっており、熱中症のリスクは確実に積み増しされている。今後も知識、ノウハウを再確認し、自分自身はもちろん周囲の人も併せ、健康管理に留意してほしいものである。
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