イタリアでは50%の人が毎日ソーシャルメディアからニュースを確認する
社会の日々の移り変わりや国内外のさまざまな動向を知るのに欠かせないニュース。そのニュースの情報源としてよく使われるソーシャルメディアの利用頻度について、西欧諸国の実情を、アメリカ合衆国の民間調査会社Pew Research Centerが2018年5月に発表した調査「In Western Europe, Public Attitudes Toward News Media More Divided by Populist Views Than Left-Right Ideology」(※)の報告書の内容を基に確認する。
次に示すのは調査対象母集団において、ソーシャルメディアを利用してニュースを取得する頻度の割合。ソーシャルメディアそのものの利用頻度では無いことに注意。また、ソーシャルメディアを利用していなければニュースの取得もできるはずは無いので、ソーシャルメディアを利用していない人は「無い」に該当する。
調査対象国でもっとも高頻度なニュース取得の割合を示したのはイタリア。50%もの人が少なくとも毎日1回はソーシャルメディアからニュースを取得している。さらに毎日1回未満だがソーシャルメディア経由でニュースを取得する人は14%。合わせてほぼ2/3の人がソーシャルメディアをニュース取得のツールとして利用していることになる。
次いで多いのはデンマーク、スウェーデン、スペイン、イギリス、オランダ、フランス、最後にドイツ。ドイツの低さが意外に思えるが、今調査の限りではインターネットをニュースの情報源として毎日1度以上利用する人の割合は、フランスよりもドイツが低い値となっていることから、仕方が無い(ソーシャルメディアからニュースを取得する頻度において、フランスもドイツに続き低い値を示している)。
ニュースを得るためのツールとしてドイツやフランスでは、ソーシャルメディアだけでなく、インターネットへの認識そのものが低いのだろう。
それでは具体的に、どのようなソーシャルメディアを用いているのか。一番よく使うソーシャルメディアを挙げてもらい、ある程度同意者が多かったFacebookとTwitterを具体的に区分属性としたのが次のグラフ。
どの国でも一番使われているのはFacebookで、デンマークではソーシャルメディアでニュースを取得する人の8割以上が、もっともよく使うのはFacebookと回答。次いでイタリアの78%、フランスの76%、スペインの69%など。もっとも値の低いスウェーデンですらも6割を超えており、ニュース取得用メディアとしてのFacebookの絶対的ポジションが確認できる。
次いで多い存在として取り上げられているTwitterだが、もっとも多いイギリスで21%、次いでスペインの19%。フランスとオランダが10%で、あとは1ケタ%。設問の選択肢には他にInstagramやSnapchat、Google+、Reddit、LinkedInなどが挙げられているが、いずれもゼロ~5%ほどの少数でしかない。
昨今ではFacebook離れといった話もよく耳にするが、少なくとも西欧においてニュースの取得元としての存在という観点では、今もなお絶対的なポジションにあることは間違いなさそうだ。
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※In Western Europe, Public Attitudes Toward News Media More Divided by Populist Views Than Left-Right Ideology
2017年10月から12月にかけて西欧諸国(デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、イギリス)を対象にしたもので、有効回答数は各国2000人強。RDD方式によって選ばれた18歳以上の自国居住者を対象に電話(固定電話と携帯電話双方)によるインタビュー形式で実施されている。結果の値にはそれぞれの国の国勢調査の結果を用いたウェイトバックが行われている。
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