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短観は利上げを躊躇させるものとはならず

久保田博幸金融アナリスト
(写真:イメージマート)

 日銀が13日発表した企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス14ポイントとなり、前回の調査を1ポイント上回り、2期ぶりに改善した。先行き予測はプラス13。

 大企業非製造業DIは、前回9月調査のプラス34から小幅悪化のプラス33となった。2四半期ぶりに悪化とはなったものの、1991年以来の高水準は維持した。先行き予測はプラス28。

 企業のインフレ期待を示す「企業の物価見通し」は、消費者物価指数の前年比上昇率が平均で1年後2.4%、3年後2.3%、5年後2.2%といずれも前回調査から変わらずとなっていた。

 短観は18、19日に開催される日銀の金融政策決定会合で金融政策を決めるための判断材料のひとつとなる。

 植田総裁は11月の講演後の質疑応答で、12月の決定会合の結果を予測するのは困難とし「それまでの期間に非常に多くのデータや情報が利用可能となる」と述べていた。

 少なくとも、今回の短観をみると19日の決定会合で利上げを躊躇させるようなものとはならないと思われる。

金融アナリスト

フリーの金融アナリスト。1996年に債券市場のホームページの草分けとなった「債券ディーリングルーム」を開設。幸田真音さんのベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルともなった。日本国債や日銀の金融政策の動向分析などが専門。主な著書として「日本国債先物入門」パンローリング 、「債券の基本とカラクリがよーくわかる本」秀和システム、「債券と国債のしくみがわかる本」技術評論社など多数。

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