ANAとJAL、新型コロナで期限切れマイルを特別対応で救済。両社で特別対応方法が異なるので注意
新型コロナウイルスの影響で、旅行や出張で飛行機を利用する機会が激減しており、特に海外へは各国の入国制限で国際線の利用が難しい状況となっている。そこで有効期限を迎えそうな航空会社のマイレージプログラム(FFP)で貯めたマイルについて、ANA(全日本空輸)とJAL(日本航空)の両社は特別対応を実施しており、マイルが無駄にならないような対応をとっている。
今回、マイレージ関連で特別対応となるのは、マイル及び各航空会社のホームページで航空券購入時に充当可能な電子クーポンが対象で、ANAマイレージクラブとJALマイレージバンクで対応・対象期間が異なることから、両社の特別対応の内容についてまとめたいと思う。
ANAは来年2月末までのマイル有効期限を自動延長
ANAマイレージクラブでは、マイルが積算された36ヶ月後の月末が有効期限となっており、ANAカード利用やフライトなどで毎月、積算マイルがある場合などにおいては、マイルを使って特典交換をしていなければ毎月、月末に有効期限を迎えることになる。
ANAでは2020年3月31日から2021年2月28日までに有効期限を迎えるマイル及びANA SKYコインは自動的に2021年3月31日まで有効期限を延長することになり、失効してしまう心配はない。特に利用者側の手続きは不要となっている。
ただし、一旦有効期限切れの段階で失効し、失効翌月の下旬頃(3月末失効分は4月下旬)を目処に2021年3月31日の有効期限として失効した分と同数のマイルとANA SKYコインが積算されることから、一時的にマイル数などが減ってしまうが、後日再積算されることになる点だけは注意しよう。
JALは7月末までのマイルを航空券購入に使える電子クーポンに
JALマイレージバンクでは、ANA同様にマイルが積算された36ヶ月後の月末が有効期限となり、マイルの特典利用がなければ、毎月、月末に有効期限を迎えることになる。
JALでは2020年2月29日から7月31日までに有効期限を迎えるマイル及びe JALポイントについて、有効期限1年間のe JALポイント(JALホームページでの航空券購入に使える)が積算される特別対応を実施している。
換算レートは、1マイル=1.5 e JALポイントとなり、仮に3000マイルが失効する場合には、4500 e JAL ポイントが積算され、JALホームページで航空券を購入する際に4500円分の航空券料金に充当することが可能となる。つまり、マイル自体が延長されるのではなく、有効期限切れのマイルはe JAL ポイントとなり、1年以内に航空券購入時に利用するということなのだ。ここが、マイルの有効期限自体を延長するANAとの違いとなる。また、マイルからの交換やキャンペーンなどで保有しているe JALポイントも有効期限1年間のe JALポイントに再積算される。
JALでは、「e JAL ポイント特典」として、5000マイルを5000 e JAL ポイント、1万マイルを1万5000 e JAL ポイントに交換可能できるが、今回の特別対応では1マイル単位で可能なほか、1万マイル以下でも1.5倍の換算レートで交換できることになる。
JALマイレージバンクは事前登録が必要なので注意
大きな注意が必要なのは、JALマイレージバンクでは自動的に特別対応となるのではなく、利用者自身でJALホームページ内の専用ページから事前登録が必要となる。これを忘れてしまうとマイルが失効してしまうので気をつけなければならない。
事前登録を済ませた後、一旦マイル及びe JAL ポイントが失効するが、マイル失効後の翌月下旬ごろ(3月末の場合は4月下旬)に、積算日から1年後の同月末を有効期限とするe JALポイントが積算されることになる。
既に予約済みの特典航空券はどうなる?
既に予約済みのマイルを使った特典航空券については、基本的に航空券の特別対応と同等の取り扱いとなっており、特別対応の搭乗期間内(3月30日現在、ANAでは国内線は4月28日まで、国際線では4月30日まで、JALでは国内線・国際線ともに4月30日までが対象。ただし特典交換日によって対応は異なる)であれば、無料で特典交換に使ったマイルをマイル口座に戻すことが可能だ。特典交換をした際にマイルが失効する直前に交換した場合でも、新たに指定された有効期限内で再度マイルを活用することができる。
また、国内線・国際線共に特典航空券は、特典交換から1年の有効期間があるので、別日に変更して後日利用するという選択肢もある。
保有するマイルの有効期限がいつなのか、改めて確認してみるといいだろう。