ヴァージン・ギャラクティック6名搭乗の飛行に成功 リチャード・ブランソン氏初飛行
2021年7月11日午前(日本時間11日深夜)、米ヴァージン・ギャラクティックは、サブオービタル宇宙船SpaceShipTwo VSS Unity(スペースシップ2 ユニティ)に6名のクルーが搭乗する試験飛行を行った。日本時間の12日0時50分ごろ宇宙船は最高高度に到達し、VSSユニティは無事に地上へと帰還。初搭乗のリチャード・ブランソン氏らによる試験飛行は成功した。
VSSユニティは、ヴァージン・ギャラクティックが開発する6人が搭乗可能なサブオービタル宇宙船。トータルで22回目、有人試験飛行では4回目となる。ニューメキシコ州の商業宇宙港スペースポート・アメリカから11日に飛行し、母船「イヴ」高度約14キロメートルで分離した。ロケットエンジンを噴射し、およそ2分半後に最高高度に到達した。中継映像の表示では、高度86.1キロメートルに到達したと見られる。船内からブランソン氏らの音声が届いた後、尾部を回転させる「フェザー」形態で降下を開始した。分離からおよそ14分30秒後、宇宙船は滑空してスペースポート・アメリカに帰還。6名全員が搭乗する試験は無事に成功した。
ヴァージン・ギャラクティックはFAA(連邦航空局)から6月に商業宇宙飛行のライセンスを得ている。今後2回の有人飛行試験を行った後、2022年に商業宇宙飛行を開始する計画だ。約600名の搭乗予定者のほか、2022年以降の商業飛行では、宇宙探査機ニュー・ホライズンズの主任研究員アラン・スターン博士が、NASAが資金提供する宇宙生理学実験のための飛行機会で搭乗する予定だ。
現在、ヴァージン・ギャラクティックは搭乗費用を公開していないが、1名あたり費用は25万ドル(約2750万円)程度になると見られている。