スロバキアから約1億円の寄付で無人地雷除去車「Bozena5」ウクライナ軍に提供
2022年2月にロシア軍がウクライナに侵攻してから、ロシア軍は大量の対人地雷、戦車用の地雷をウクライナの最前線に設置している。ロシアは対人地雷の使用、生産、移譲などを禁止しているオタワ条約(対人地雷全面禁止条約)に加盟していない。
多くのウクライナ兵や一般市民が対人地雷の犠牲になっている。地雷では殺害されることはほとんどないが、手足が吹っ飛んでしまう。また小型のおもちゃのようにも見える対人地雷は子供や一般市民が拾ってしまい、爆発したら手足が吹っ飛んでしまう大けがをすることになる。地雷の他にも不発弾や、迎撃されたが上空で爆発しないで墜落した「爆弾を搭載した神風ドローン」なども地上に散乱しており、それらも何も知らずに踏んだり触ったりしてしまうと爆発する危険性がある。
ウクライナ政府やウクライナ軍は欧米諸国が軍事支援で提供してくれたり、ウクライナの農民自らが独自に開発したりした地雷除去用の無人車などで地雷原で地雷の除去をしてきた。しかし地雷除去車は足りていない。
2023年9月にウクライナのメディアのUnited24が、スロバキアのボランティアがスロバキア製の無人地雷除去車「Bozena5」をウクライナに提供するために65万ユーロ(約1億円)を集めて寄付していたと伝えていた。「Bozena5」はリモートで操作するので無人であり、人間が搭乗して操作しないで地雷を除去することができる。既に「Bozena5」はウクライナの地雷原で地雷除去を行っている。
▼スロバキアのボランティアが約1億円の寄付を集めて無人地雷除去車「Bozena5」をウクライナ軍に提供したことを伝えるウクライナのメディアUnited24
このような大型の地雷除去者は稼働するときに大きな騒音を伴うデメリットがある。「無人地雷除去車」は鉄の塊やチェーンで草原の地雷を探知し、地雷を探知したら爆破して除去する。鉄の塊やチェーンが回るたびに、そして主に対戦車地雷を除去する際の爆発に大きな音がする。そのため、すぐにロシア軍に発見されて攻撃の標的にされてしまう。そして地雷原で破壊されてしまった無人地雷除去車を片付けるためには、周囲の地雷を除去してから地雷除去車を撤去しないと、地雷除去車を撤去するためのレッカー車やトラックが地雷で爆破されてしまう危険がある。約1億円の寄付金を集めて購入された無人地雷除去車「Bozena5」もミサイルの一撃ですぐに破壊されてしまう。
大型の無人地雷除去車は大量の地雷を除去するには適しているが、作業時には大きな音もするし、上空からも目立つのですぐにミサイルや攻撃ドローンの標的にされて破壊されやすい。リモート操作で無人機なので人間の兵士が攻撃時に命を落とすリスクはない。だが地雷除去車は破壊されたら草原に鉄の塊が残るだけで、地雷除去車自体の撤去作業にも相当な稼働とコストがかかる。それでも地雷は除去しないといけないし、人間の兵士や当局職員では時間もかかり危険性も伴うので、ロシア軍から破壊されるリスクも大きいが地雷除去車で作業を続けている。
地雷の他にも不発弾や、迎撃されたが上空で爆発しないで墜落した「爆弾を搭載した神風ドローン」なども地上に散乱しており、それらも何も知らずに踏んだり触ったりしてしまうと爆発する危険性がある。対戦車地雷は戦車を撃破することを目的にしているので破壊力も強い。人間が対戦車地雷と知らずに触ってしまったら大爆発して死亡する可能性が高い。
そしてロシア軍はウクライナに侵攻してから勝手に対人地雷、対戦車地雷を敷設しており、ウクライナ政府職員やウクライナ軍の兵士が地雷を探知したら丁寧に爆破して除去している。人間の兵士が地雷を探知して除去するのは大変な作業で危険を伴っている。
対戦車地雷のように道路に置いてあり、上空からも目立って見える地雷はドローンで見つけてドローンから爆弾や手榴弾を投下して地雷ごと爆破している。だが多くの地雷は草原や茂みなど目立たないところに敷設されていて、兵士や一般市民が地雷とわからずに触れてしまい爆発している。そのため地雷の探知と除去も命がけである。
▼無人地雷除去車「Bozena5」