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【橋本市(高野山エリア)】75年目の昔ながらの手焼きせんべい屋さんもまだ現役! 全てがシンプル

田中寛人地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

普段、気にはなっていてもなかなか行くきっかけが無かったけれど、今年で創業から75年目のお煎餅屋さん「御煎餅司 紀の川製菓」にお邪魔してきました。

お店やってるのかな・・・と思っちゃう、外から見ても良く分からない店構え
お店やってるのかな・・・と思っちゃう、外から見ても良く分からない店構え

店内もさほど広くは無いです
店内もさほど広くは無いです

私はお米で出来た煎餅はスーパーで時々買うのですが、こちらで作られているのは小麦粉ベースの煎餅。ザクザクとしたお煎餅です。

どれを買っても、356円(税込み)
どれを買っても、356円(税込み)

店内で置いている商品は、なんと全部手焼き
一時期機械で焼くようになったらしいのですが、今の当主が手焼きに戻したとのこと。

橋本駅前がかなりさびれてきて、お煎餅を買う人はどれぐらいいるのかなぁと思っていたのですが、このお店の見た目は田舎の小さなお店にしか見えませんでしたが、実は全国各地の寺社仏閣の特注煎餅を作られています。
特注の焼き印がたくさんあり、その数は百以上。手焼きならではのオリジナル煎餅も受注されていました。

オリジナルの焼き印がたくさん
オリジナルの焼き印がたくさん

今はもう出番の無い焼き印たち
今はもう出番の無い焼き印たち

今回どれも創業当時からあると言われた商品を買ってみました。
先に言っておきますが、全部美味しかったです。それ以外の感想をメモ。

生姜煎餅

た~っぷり生姜の蜜コーティングがされていて、ショウガ好きにはうれしい味。
他と比べて噛みごたえのある煎餅生地でした。煎茶と食べたい。

右側です。白いのはショウガ蜜
右側です。白いのはショウガ蜜

たまご煎餅(はしぼう煎餅)

たまごのコクがあります。優しい味。そのままバクバク食べられます。

たまご煎餅
たまご煎餅

格子煎餅(ピーナツ煎餅)

私が買ったものが普通なのかたまたまなのか分からないのですが、市販の似たようなお煎餅よりも「よく焼き」されていて、そのせいでキャラメリゼというか芳ばしい香りとほんの少し苦みがあります。中に入っているピーナッツのコクと優しい砂糖の甘さがそれらをうまく包んでくれて、じっくり味わうと結構複雑な味が絡み合って一つの味になっていました。これも煎茶と合いそうです。

左側が格子煎餅(ピーナツ煎餅)
左側が格子煎餅(ピーナツ煎餅)

置いてある商品の種類はそんなに多くはないし、現代風のおしゃれな商品があるわけでもないのですが、75年も続いた煎餅屋さんの煎餅は目に見えない部分にこだわりがあり、余計なものを入れず、「変わらない」のも良さであるのだと気付きました。

見たらわかる原材料のシンプルさ。あとは職人の腕の見せ所。
見たらわかる原材料のシンプルさ。あとは職人の腕の見せ所。

優しい甘さの秘密はハチミツ
優しい甘さの秘密はハチミツ

どの商品もシンプルな原材料
どの商品もシンプルな原材料

こちらのお店もいつまであるか分からないので、是非お煎餅を買って食べてください。

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「御煎餅司 紀の川製菓」

住所:和歌山県橋本市古佐田2丁目3−25
営業時間:9時~16時
定休日:日曜日
電話:0736320361

地域のあしもとマイスター(橋本市・高野町)

和歌山県高野町在住。現場のフィールドワークを通してその土地ならではの地域資源を掘り起こし、地域づくりにつながる高付加価値商品開発や体験プログラムの企画造成支援や実践を行っています。そのスキルも活かして皆さまのまだ見ぬ和歌山県をお届けしていきたいと思っています。民俗学と発酵と和の薬草と昆虫食と染色のイベントもしています。

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