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只今新人選手投打10冠!やはり凄かった大谷翔平のロケットスタート

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
ここまでア・リーグ新人選手として投打5冠に輝く大谷翔平選手(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今やMLBで最も関心を集める存在になった大谷翔平選手。すでに米国でも“大谷フィーバー”が巻き起こっているといってもおかしくない状況だ。

 その一端が米国メディアの反応にも現れている。次から次へとメディアの想像を超える活躍を見せ続けたため、すでに大谷選手の実力云々の話題を通り越し、メディア自体がファンと同じように「オオタニを見たい」という興味が先走っている状態だ。中には「毎日出場させろ」とか「オールスターゲームの本塁打競争に出せ」など、メディアとは思えない無責任な発言まで飛び出しているほどだ。こうした報道が地元ばかりでなく、全国的で繰り広げられているのだ。米国内で大谷選手の名前が一気に浸透していっている様が簡単に想像できるだろう。

 ここまで米メディアを夢中にさせることになったのは、やはり開幕からのロケットスタートだ。アレックス・ロドリゲス氏が「彼の活躍をみていると、MLBが高校生レベルに見えてしまう」と形容しているように、世界最高峰のリーグに身を置きながら投打ともに異次元のプレーを続け、彼らの常識を次々に覆し続けている。その凄さはデータ上でも明らかになっている。

 MLBでは公式サイト上で日々更新しながら様々なデータを公開しているが、その中に「新人選手部門個人成績ランキング」がある。我々メディアもそのシーズンの新人賞有力選手を確認する際に、よく利用するデータだ。ここでも大谷選手は異次元ぶりを発揮している。

 4月17日現在ア・リーグの新人選手の中で、野手として「打率」「本塁打」「打点」の3部門すべてでトップに立ち、さらに投手としても「勝利」「奪三振」で1位にランク。つまり投打の主要6部門で5冠に輝いているのだ。残りの「防御率」に関してもリーグ3位にランク入りしており、ほぼタイトル総なめ状態だ。

 さらに主要6部門以外でも、打者としては「出塁率」「長打率」「安打数」、投手としては「被打率」「勝率」でも堂々のリーグ1位に輝いており、すべて合わせると驚異の10冠だ。どんなベテラン記者だとしても、間違いなくこんな新人選手は過去に見たことがないはずだ。改めて米国に与えた衝撃ぶりが一目瞭然で理解できるだろう。

 シーズンは開幕したばかり。NPBより長いシーズンを含めすべてが初体験の大谷選手が、このままずば抜けた活躍を続けられる保証は何もない。ただ大谷選手がそのプレーでファンはおろかメディアさえも興奮させてしまう存在になっていることだけは疑いようのない事実だ。しばらくは彼の一挙手一投足が注目を集め続けることになるだろう。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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