旅行・グルメ・おでかけライターのsatochinです。昭和レトロな雰囲気の「俵山温泉」で見つけた、料理人の御主人が作る食事がおいしい「保養旅館 京家」を紹介します。

宿泊するなら穴場の秘湯「俵山温泉」

山口県長門市にある俵山温泉。泉質が良く、江戸時代には長州藩毛利家直営の湯治場として使われていた歴史のある温泉です。木造の旅館が立ち並ぶ鄙びた雰囲気も情緒があり、湯上りの街歩きが絵になる温泉街です。

昔ながらの外湯文化が残っていて、各旅館や民宿には内湯がなく、宿泊者は2軒ある日帰り温泉を利用します。

また、すぐ近くに山口県で最も古い歴史を持つ長門湯本温泉があるため、俵山温泉は立ち寄り湯として利用する人が多いのか、温泉街は比較的静かで、鄙びた秘湯の雰囲気があります。

宿泊費も比較的リーズナブルなところが多いのですが、情報が少ない。

公式ホームページのない宿も多いので、いったいいくらで泊まれるのかもわからない、そもそも営業しているのかどうかもわからなくて宿探しに苦労しました。でも、俵山温泉観光協会のホームページからメールで問い合わせたところ、すぐに宿の詳細について教えてもらえました。電話で問い合わせることもできます。

俵山温泉観光協会（外部リンク）　

築66年の歴史ある建物「保養旅館 京家」

宿泊したのは「保養旅館 京家」。床や柱、階段の手すりなどが艶のある輝きをはなつ、歴史を感じさせる建物でした。昭和に建てられ、今年で66年になるそうです。

筆者が宿泊したのは別館でしたが、本館と繋がっているので、玄関からは階段も使わずそのままお部屋に行けました。これなら車椅子の人も利用できそう。

広縁の窓からは下に大きな鯉が泳ぐ池が見えました。

トイレは共同で男女別、水洗の様式。

お部屋に冷蔵庫はありませんでしたが、廊下に宿の冷蔵庫がありました。

お部屋の鍵が予想外に武骨で思わず苦笑い。ナンバーを教えてもらって使うのですが、この日のお客さんは筆者達だけで、貴重品をセイフティボックスに入れたら、特に盗まれるものもなかったので、結局鍵は使いませんでした。

レトロな建物好きな筆者は館内を見てまわるだけで楽しかったです。

宿泊者専用の入浴手形で外湯温泉をまわる

先に紹介したように俵山温泉は外湯文化の残っている温泉街です。温泉は「町の湯」と「白猿の湯」、2ヶ所の共同外湯温泉を利用します。

町の湯は大人1回530円、白猿の湯は大人1回850円。俵山温泉に宿泊した人は「入浴手形」を発行してもらえます。こちらは1枚1,500円で、チェックインから翌日のお昼12時まで、なんどでも2ヶ所の外湯を利用できます。

保養旅館 京家から町の湯までは歩いて1分、白猿の湯は歩いて4分と、どちらも利用しやすく、湯上りの散歩も気持ち良かったです。

俵山温泉の泉質はアルカリ性単純温泉（低張性アルカリ性温泉）。PH9.9のしっとりツルツル肌になる美肌の湯。俵山温泉には5本の源泉があり、白猿の湯は川の湯源泉、町の湯は町の湯源泉かけ流しです。さらに町の湯には、正の湯泉の飲泉もできます。

白猿の湯は露天風呂もあり、建物もきれいで、日帰りでゆったり過ごしたい人に特にオススメの温泉です。

町の湯は昔ながらの温泉という感じで、地元の人も多かったです。加水なしの源泉かけ流しのお湯は、肌触りがやわらかく、ほんの少しとろみのある感じで、湯上りはうっすらとベールにつつまれたようなスベスベ肌になります。

飲泉は、まろやかな甘味がわずかに感じられました。町の湯は6時から営業しているので、翌日の朝一番にも利用しました。

料理人のご主人が作る食事に大満足

保養旅館 京家は、前の持ち主から現在のオーナー夫妻が建物を譲り受けました。ご主人は長年ホテルの料理人として働いており、いつかは自分の宿を持ちたいと思っていたそうです。

なので、宿で提供される食事は、すべてご主人が調理したもの。地元の野菜や長門の新鮮な旬の食材を使用するので、献立は日によって違うそうです。

筆者が利用した時の夕食はこちら。

枝豆、トウモロコシ、お刺身、天ぷら、シュウマイ、イカの姿煮、瓦蕎麦。

食事はお部屋に運んでもらい、お部屋でゆっくりいただきました。ビールは1本660円。自分で廊下の冷蔵庫からだして、帰りに自己申告します。

お刺身はサーモン、タコ、ヒラマサ。

天ぷらは、オクラ、茄子、シイタケ、カボチャ。

イカの姿には、ふっくらとやわらかい！

本物の瓦蕎麦、はじめて食べました。

焦げたおそばがパリパリで香ばしい！あまりにおいしくて、空港でお土産に瓦蕎麦を買って帰りました。

デザートはヨーグルトにブルーベリーとバナナがトッピングされています。

朝食はこちら。

鯖の塩焼き、きんぴらごぼう、玉子焼き、茄子の煮びたし、味付け海苔。

日本の旅館の朝ご飯です。

夕食、朝食、ともにちょうどよい品数で、そして、どれもおいしく、大満足！

これで1泊2食8,800円でしたから、もう十分すぎるお食事でした。（2024年6月）

今は少し値上がりしたようですが、それでも1万円以下です。

俵山温泉には食事処が1ヶ所しかないので、食事つきプランにすると安心です。

静かに温泉を楽しみたい人にオススメ

賑やかな温泉街も良いですが、カエルの鳴き声が人の声より大きな夜の温泉街のお散歩も、とても気持ちの良いものでした。

「新・日本百名湯」に選出されたり、温泉番付で「西の横綱」の称号をいただいたこともあるくらい温泉が良いのに、とても静かな俵山温泉。

昭和レトロ好きな人にもオススメですよ。

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