ペルシャ湾でタンカーに付着した吸着爆弾が発見される
1月1日(現地時間12月31日)、ペルシャ湾のイラク・バスラ市の沖でタンカーに不発のリムペットマイン(吸着爆弾)が丸ごと付着していたのが発見され、イラク当局に通報されました。
洋上石油備蓄タンクとして運用されていたリベリア船籍タンカー「ポーラ」にバハマ船籍タンカー「ノルディックフリーダム」が接舷して石油を移し替える作業を行おうとしたところ、ポーラの舷側に緑色のバケツ状の物体が付着していました。これは2015年にイランがテヘランでの武器見本市で公開したリムペットマインと形状が酷似しています。
リムペットマインとは吸着水雷または吸着機雷という意味ですが(リムペットとはカサガイという岩場に貼り付く貝のこと)、一般的な機雷とは使い方が全く異なり磁石が付いており、人間の手で艦船に付着させる特殊作戦用の吸着爆弾です。
リムペットマインは2019年にペルシャ湾で何者かによるタンカー攻撃に多用され、これまで構成部品の磁石が証拠品として見つかっていましたが、今回は丸ごと全てが回収されたことになります。以前から可能性が高いと疑われていましたが、形状からイラン製であることがほぼ確定しました。
2019年アメリカ中央海軍司令部の報告資料から。左の写真が2015年イラン・テヘラン武器展示会でのリムペットマインの説明ボード、右の写真が2019年の事件でタンカーに付着していたリムペットマインの部品の磁石。
色や大まかな形状だけでなく細部も同一で、上面の12個のナットの数まで同じです。