小中高校生のインターネット利用機器の利用状況を詳しくさぐる(2019年公開版)
多様なデジタル機器が子供達に対しインターネットの世界に触れる窓口を解放している。それでは今の子供達のうちどれほどが、それらのデジタル機器を利用しているのだろうか。内閣府が2019年5月に確定報の詳細を発表した「2018年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の内容を基に確認していく。
次に示すのは小中高校生それぞれの、インターネットへのアクセスが可能な端末によるインターネット利用率(質問票では「インターネットを利用している機器をすべてえらんでください(いくつでも)」とある)。所有権が無くてもインターネットを利用さえしていれば回答には該当する。なお次以降のグラフは、グラフ間の比較もできるように、基本的に縦軸の区分は統一している。
まずは小学生。
従来型携帯電話やパソコンなどの利用率は低く、スマートフォンやタブレット型端末、携帯ゲーム機がほぼ横並び。子供向け従来型携帯電話はやや高めの7.9%の値が出ているが、これは多分に防犯用として持たせているものと考えられる。
ゲーム機では据置型が1割強なのに対し、携帯ゲーム機が4割近くとなっており、現状のゲーム業界を象徴する値にも見える。無論今件はあくまでもインターネットを利用している人の割合なので、インターネットに接続をせずにゲーム機を使っている人も少なからずいるはずではあるのだが。
タブレット型端末の利用率が高いのも注目に値する。小学生ではおおよそ3人に1人がタブレット型端末でインターネットを利用している計算になる。
続いて中学生。
小学生と比べると携帯ゲーム機の利用率は下がり、その分携帯音楽プレイヤーが大きく伸びる。娯楽として音楽視聴をする人が増えていることを表している。またスマートフォンの利用率も大きく伸び、中学生時点ですでに6割強となっている。中学生の時点で、インターネットを使うためのデジタル機器でもっとも使われているのはスマートフォンなのが現状。パソコンではノートパソコンが16.2%、デスクトップパソコンが7.7%。タブレット型端末がノートパソコンを大きく追い抜いたポジションにあるのが印象的。
最後に高校生。
スマートフォンの利用率が伸び、9割台となっている。他方携帯ゲーム機の利用率は落ち込み(据置型ゲーム機は中学生とさほど変わらないが)、携帯音楽プレイヤーもあまり変わらず。ノートパソコンは伸びているがでも2割台でしかない。他方、タブレット型端末は値を落とし、2割を切ってしまっている。
おおよそこれらの流れから、インターネットに接続できる機種の利用状況は、小学生はスマートフォンとタブレット型端末と携帯ゲーム機がほぼ同じぐらい、中学生はスマートフォンがメインで次いでタブレット型端末と携帯ゲーム機、高校生になるとスマートフォンがほぼ主流になる流れを示しているのが分かる。
現状では小学生の1/3強、中学生の6割前後、高校生では9割強がスマートフォンを使ってインターネットにアクセスをしている。ほんの数年前までは信じられないような実情ではある。
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※2018年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2018年11月8日から12月9日にかけて、2018年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(保護者は訪問配布訪問回収法)で行われたもの。時間の調整ができない場合のみウェブ調査法(保護者は加えて郵送回収法)を併用している。有効回答数は青少年が3079人(うちウェブ経由は73人)、保護者は3445人(うちウェブ経由は21人、郵送回収法は39人)。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記の無い限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。