【富士宮市】小さな日光東照宮に来たみたい!氏神社とは思えない立派な彫刻に目を疑う『杉田浅間神社』!
こんなところにも浅間神社があるんだねぇと、ふと立ち寄った『杉田浅間神社』。
鳥居の脇には富士宮市歩く博物館の説明書きがありました。こちらには『杉田氏神社』と記され、説明には『古来より富士山頂の五智如来(ごちにょらい)を五躰王子(ごたいおうじ)とした神仏習合の五躰王子浅間神社で、今も村繁栄の水神・農業神として信仰されている』とありました…が、意味が分かりません…『歩く博物館ガイドブック』を参照してみましたが、説明書きと全く同じ文章でした。
なので、自分なりの解釈で調べてみると、五智如来とは仏教の一流派、密教の悟りである完全な智慧・すべてのものを鏡のようにありのままに映す智慧・すべてのものが平等であることを知る智慧・すべてのものを正しくとらえる智慧・すべてのものを完成させる智慧の五つの智慧を如来にあてはめたもので、『富士山縁起』では富士山頂に祀られていたとされます。
神仏習合とは「日本に土着の神様を祀る神道」と、「インド発祥の仏教」が、互いに影響し融合したことを言います。
日光東照宮の中には本地堂(薬師堂)という建物があり、この本地堂は薬師如来という仏像をお祀りしています。こうしてみると、日光東照宮自体が神仏習合の考え方を現す存在でもあります。
こうした仏様が本来の姿で日本の神様は化身であるという神仏習合の思想から、仏教と神道の習合が進み五智如来が本宮である木花開耶姫命からその子供の神として分かれ出た神として五体の如来を王子として祀ったのではないでしょうか。
『杉田浅間神社』の鳥居をくぐると、見えて来たのは手水舎と拝殿です。手水舎には波に泳ぐ魚の彫刻。そして拝殿には波と兎のイキイキとした彫刻が目を引きます。
『波に兎の組み合わせは室町時代から使われている図柄で、火伏せの意味がある』と由来の書かれた説明が貼られていました。
日光東照宮を彷彿させる彫刻は、神仏習合という共通点があるからでしょうか。
拝殿の裏を回り、本殿に行くと、こちらは色鮮やかな菊の彫刻が施されて、息を飲みました。
両サイドには松竹梅で遊んでいる猿の親子の彫刻が施されていました。
本殿の右に祀られているのが『津島大神』、左に祀られているのが『水神』だそうです。
江戸時代まで杉田の生活用水は天水に頼っていたそうで、水神様をお祭りしたり、火伏せの彫刻を施しているのはそういった歴史があるからでしょうか。
由緒がしっかりと分からず推測となってしまいましたが、立派な彫刻は見るだけでも圧倒されます。
日光東照宮を感じられる身近な『杉田浅間神社』。お参りする価値がありますよ。
杉田浅間神社
住所:富士宮市杉田456
*杉田4区1町内集会場の右手