戦闘機16機が爆発炎上…北朝鮮空軍「史上最悪」の惨事
核兵器を戦力化し、米韓軍への強力な対抗手段を手に入れた北朝鮮だが、それでも韓国軍が導入を進めるステルス戦闘機には非常にナーバスな反応を示している。北朝鮮には、レーダーに捕捉されないまま首都・平壌に殺到することのできるステルス戦闘機への対応能力がまったくないからだ。
北朝鮮はむかし、空軍力を非常に重視していた。いや、重視したいのは今でも変わらないかもしれないが、老朽化した装備を更新することすらできず、実力が追い付かないのだ。
(参考記事:第4次中東戦争が勃発、北朝鮮空軍とイスラエルF4戦闘機の死闘)
金正恩氏はベトナム・ハノイでの米朝首脳会談のために、2019年2月23日から3月5日まで、北朝鮮の最高指導者としては異例の長期に渡り、首都・平壌を留守にした。現地のデイリーNK内部情報筋によると、その最中、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の空軍基地で大規模火災が発生した。
現場は、東海岸の咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興(ハムン)市から北東に10キロに位置する、徳山(トクサン)飛行場だ。同飛行場には、空軍の第2航空師団本部が置かれている。原因は失火で、被害の詳細は伝えられていないが、ただでさえ貧弱な空軍力に打撃を与える軍気のゆるみは深刻だ。
こうして起きた事故の中でも、最大規模のものは1993年にあった。脱北者で韓国紙・東亜日報記者のチュ・ソンハ氏がYouTubeで明かしたとこでは、現場は平安北道(ピョンアンブクト)の价川(ケチョン)飛行場である。燃料泥棒の不注意で格納庫のジェット燃料に引火し、大規模な爆発が起きたという。
チュ・ソンハ氏によれば、北朝鮮当局はこうした事故が発生した際、被害の拡大を防ぐため、施設の入り口を封鎖する。酸素の流入を遮断するためだ。問題は、施設の中に人がいようがいまいが封鎖してしまうことで、中に残された人々は死ぬしかない。价川飛行場の事故でもそのようにして犠牲になった人が50人を数えたとされ、現場は悲惨極まりないものだったという。
またこの事故では、16機ものジェット戦闘機が爆発炎上したという。機種は、北朝鮮空軍の主力であるMIG-21ではないかとのことだ。
北朝鮮空軍では、こうした燃料泥棒が毎年数十人も摘発され、公開処刑されているが、兵士らの生活状況は困窮を極めており、なくなる気配は一向に見えないという。
(参考記事:美女2人は「ある物」を盗み公開処刑でズタズタにされた)