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#マイナ保険証』国家公務員利用率5.73%、国民平均利用率6.56%よりも低いことが最大の問題!

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
(提供:イメージマート)

KNNポール神田です。

2024年、5〜7月は、『マイナ保険証 集中取組月間』だという。

『マイナ保険証』の登録者は、ポイント還元などの成果により、約7,254万8,000人と、全人口の約6割に及ぶ…しかし、国民の利用率というとわずか6.56%にとどまる状況だ。『マイナ保険証』への以降日2024年12月2日まで、すでに半年を切ってしまっている。

『マイナ保険証 集中取組月間』として、利用人数の増加に応じて診療所・薬局に最大10万円、病院には同20万円の支援金を1回限り支給することによって、医療機関からの声掛けも始まった。

武見敬三厚労相は閣議後記者会見で「利用促進に向けて全力で取り組む」と語った。一方、その弊害もおきてきている。それが『マイナ優先診察』だ。

□この“マイナ優先診察”を打ち出すクリニックは、ここだけではなく、複数の医療機関で始まっていました。
□厚生労働省:「マイナ保険証の利用自体は推進しているが、マイナ保険証の利用者を優先してくださいとも、区別しないでくれとも示したことはない
マイナ保険証の利用率が高い医療機関に政府が一時金を出すので、マイナ保険証の患者を優先的に取り扱うという現象が起きているのでは。本来あるべき医療の質を高めることより、マイナ保険証の利用率を高めることに焦点が移っている」と指摘します。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e10b605f36e4d27e0fab1c9af0de4dcbc911b08a



■『マイナ保険証』を紐づけしない人にはわざわざ『資格確認証』を発行

また、今年の2024年12月2日までに、『マイナ保険証』を紐づけしない人に対して、『資格確認証』を発行するという。そして、利用期間は1年から最長5年という。このコストだけでも膨大なコストで年間241億円がかかるという…。誰が何のためにここまでコストをかけて、変えられない仕組みに対しての税を投入するのか?同時に、『マイナ保険証』のメリットがとてもわかりにくい…。
医療機関の本人確認手法は9種類となった。

出典:全国保険医団体連合会
出典:全国保険医団体連合会


■国家公務員利用率5.73% 国民平均利用率6.56%よりも低い


『国家公務員共済組合のマイナ保険証』の利用率が、5.73%(2024年5月8日時点)国民平均6.56%よりも低い (2024年4月15日時点)ことが最大の問題だ。
政府の職員がそもそも利用しないのに国民に勧めるいう構図が一番、信頼性をゆるがしている。
『マイナンバー』の監督省庁であった総務省で10.31%、『マイナ保険証』の厚労省でさえ6.49%では説得力がなさすぎる。防衛省に至っては3.54%の利用率だ。(2024年5月8日時点)。
マイナ保険証が防衛上なにか問題があるのか…?とさえ疑惑を抱く数字である。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024050801095&g=soc

国家公務員が利用していないものを国民に強いるという感覚が理解できない。
まずは省庁内での100%利用を『義務化』すべきではないか?

それができないのであれば、ゼロベースで、一旦立ち止まり、システム制度を振り返るべきではないだろうか?

まずは『マイナ保険証』の『メリット&デメリット』を明確にし、メリットを増やす努力をすべきだ。
『普及の努力』ではなく『メリット&デメリットの理解』を勧めると同時にデジタル化の恩恵を浸透させなければならない。DX化の恩恵が多大であることの丁寧な説明がまったくないまま、普及と利用を目指すというのは強引すぎる。

国民への理解のないまま『強化月間』というような言葉を選んで発してしまう大臣の責任も重い。


■マイナ保険証のメリットとデメリットの理解

1.医療情報の可搬性
マイナ保険証を利用することで、患者は電子カルテに記録された診療情報を持ち歩くことが可能となる。これにより、異なる医療機関間での情報共有が容易になり、適切な医療を受けやすくなる。
2.窓口負担の軽減
マイナ保険証を使用することで、医療費が高額になった場合でも自動的に高額療養費が適用されるため、患者の窓口負担が軽減される。
3. 行政手続きの簡素化
転職や転居をしても健康保険証を切り替える必要がなくなり、確定申告での医療費控除なども簡単になる。
4. 医療DXの推進

マイナ保険証は、電子処方箋や電子カルテなどの保健・医療・介護情報を共有する『全国医療情報プラットフォーム』の基盤となり、日本の医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する重要な要素とされています。


デメリット
1. システムの信頼性
住民票の誤発行や情報登録時のひもづけ誤りなど、システムの信頼性に対する懸念が存在する。これに対して、国と自治体による情報の総点検が行われているが、信頼性の確保が最優先事項

2. 利用率の低さ
国民がそのベネフィットを十分に実感できていないことが最大の課題。国家公務の利用率が国民平均よりも低いのは言語道断。

3. 医療機関の負担
医療機関では、マイナ保険証の操作説明やカードリーダーの読み取りエラーなどで職員の負担が増加しており、診療継続に支障が出ることが懸念されている。確認事項も9つもある。

4. プライバシーリスク
マイナンバー制度の拡大に伴い、プライバシーリスクが高まる可能性が指摘されている。これに対し、適切な対応策が求められているが、満足がゆく回答は得られていない。マイナ保険証の導入は、医療のデジタル化を進める上で多くのメリットをもたらす一方で、システムの信頼性や医療機関の負担、プライバシーリスクなどの課題も存在する。


これらの課題を克服しないことには、マイナ保険証の本来のベネフィットを実感できる社会の実現は難しい。



ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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