スリランカ大統領が逃避、今後については「党首会談の決定に従う」と発言。
スリランカでは今日、反政府デモ隊が大統領府と大統領官邸を完全に占拠した。7月9日に一斉に行われたラジャパクサ大統領の辞任を求めるデモは、スリランカに限ったことではない。英国やオーストラリアでも行われている。大統領の行方は公式には発表されていないが、大統領本人と思われる人物を乗せたスリランカ海軍の船が大急ぎでコロンボ港を離れる様子も目撃されている。
(大統領と思われる人物が海軍の船でコロンボ港を離れている瞬間)
国の現状を話し合い、この問題の早期解決を図るため、ラニル・ウィクラマシンハ首相は党幹部による緊急会議を招集した。首相府によると、ゴタバヤ・ラジャパクシャ大統領は本日の党首会談での決定を尊重するとのことだ。一方、ラニル・ウィクレメシンハ首相は、すでに複数の党首と最初の協議を行ったとされ、党首会談での決定事項を国民に知らせる予定であると語った。
(大統領官邸前に集った群衆)
一方、首相が党首会談への参加を呼びかけたことに関して、最大野党サマギ・ジャナ・バラウェガヤ(SJB)のサジット・プレマダーサ党首は、会談をボイコットすることを表明した。プレマダサ議員は声明の中で、「国民はゴタバヤ・ラジャパクシャ大統領とラニル・ウィクラマシンハ首相の辞任を明確に要求している」と述べ、また「ラニル・ウィクラマシンハ首相は、民衆の抗議によって窮地に立たされたラージャパクシャ一族を保護し、彼らが再び政治の舞台に立つのを許している」と非難した。プレマダル・サマダサ党首は、ウィクラマシンハ首相の呼びかける全党首会談は受け入れないが、国会議長が招集した全党会議に出席するとツィッターでつぶやいた。
今後、党首会談で合意に至るかどうかは未知数だ。一方、ゴタバヤ大統領が任命したラニル・ウィクラマシンハ首相の立場が今後影響を受ける可能性も否定できない。
(大統領官邸に駆けつける人の流れは大きくなるばかりだ)