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NBA前コミッショナーが薬用マリファナ使用を認めるルール改正を提言

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
NBA前コミッショナーのデビッド・スターン氏(写真:Shutterstock/アフロ)

 元NBA界の重鎮が、リーグに大きな衝撃をもたらす発言を行った。

 1984~2014年までコミッショナーを務めていたデビッド・スターン氏が、リーグに対し薬用マリファナ使用を認めるルール改正を提言したのだ。現在カンナビス(マリファナの一種で、マリファナよりも効果が弱くハシシより強いとされる麻薬)関連の企業を経営する元NBA選手アル・ハリントン氏とのインタビューで、その意見を明らかにしている。

 スポーツ専門サイトの『The Score』が報じたところでは、2人のインタビューは、プロ・アスリートの動画やポッドキャストを専門に扱っている『UNINTERRUPTED』で公開されている。

 スターン氏はCNNで報じられた薬用マリファナが身体の痛みを緩和する効果を期待して使用されている実態を例に挙げ、「どんなに利口な人たちでも何が正しく、何が正しくないのかは解らないと思う。しかし医療目的のマリファナが完全に合法化すべきだという議論が世界中で起こっているのは間違いない」と話し、薬用マリファナに肯定的な姿勢を示した。

 さらに同氏は「(薬用マリファナ使用を)合法化している州では使用できるように統一労働協約を変更すべきだと思う」と話すとともに、「(薬用マリファナの使用によって)スター選手たちがさらに現役を長く続けられる環境を創出できることを想像してみよう」と将来的なルール改正を提言している。

 スターン氏がNBAコミッショナーに就任した1980年代はリーグ内に薬物使用が横行しており、当時は徹底的な薬物根絶に取り組んでいた。スターン氏により薬物使用で永久追放処分を受けたスター選手も存在している。

 果たして今回のスターン氏の発言はNBAにどのように受け取られるのだろうか。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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