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成人男性24.8%・女性6.2%…喫煙率の実情をさぐる(2024年発表版)

不破雷蔵「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者
肩身の狭い思いをする事も多い喫煙者。実情ではどれぐらいの人が喫煙中?(写真:アフロ)

喫煙率は男性24.8%、女性6.2%

禁煙啓蒙活動や健康意識の高まりからたばこの喫煙率は減少傾向にある。しかし今なお多くの人にはたばこは重要な嗜好品に違いなく、喫煙者も多い。喫煙率の事情を厚生労働省から2024年8月に発表された定期調査「国民健康・栄養調査」(※)の最新版となる2022年分における概要報告書から確認する。

今調査によれば直近2022年において成人男性の喫煙率は24.8%、成人女性の喫煙率は6.2%となった。男性よりも女性の方が喫煙率は相当低めとなっている。

↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別・年齢階層別)(2022年)
↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別・年齢階層別)(2022年)

男性は20代で低めだが30代で大きく跳ね上がりピークとなり、40代以上は減っていく。女性はピークが40代だが、上下の傾向は男性と変わりがない(値そのものは大きく違うが)。一方で70歳以上でも男性では15.8%、女性では2.0%が、なお喫煙を続けている。

これを男女別に経年変化で動向を確認すると、おおよそ漸減しているのが分かる。

↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別)
↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(男女別)

特に男性はこの19年で20%ポイント以上もの下げ幅を示している。他方女性は元々値が低いのも一因だが、あまり大きな変化は見られない。

「国民健康・栄養調査」は年齢階層で大きな違いが生じる項目では、経年の結果の推移において年齢階層別構成比の変化が全体平均値に大きな影響を生じさせるため、2014年分のデータ公開から年齢調整が行われたものも併記される形となった。こちらの値であれば、経年における高齢者の比率増加に伴う、平均値のゆがみを考えなくても済む。

↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(年齢調整後、男女別)
↑ 現在習慣的に喫煙している人の割合(年齢調整後、男女別)

男性は漸減中だが2010年の大きな下げ方を除けば減り方は緩やか、女性もほぼ似たような動きであるのが分かる。

なお2010年に生じている、特に男性における有意な値の減少だが、2010年10月に実施されたたばこ税・たばこ価格の大幅な引き上げが原因と考えれば道理は通る。

受動喫煙の実情

喫煙には当事者が直接たばこを吸う以外に、周辺環境によって当事者の意図することなくたばこの煙を吸ってしまう機会がある。これを受動喫煙と呼んでいるが、今調査では不定期で調査を実施している。

現在習慣的に喫煙している人「以外」で、過去一か月の間に受動喫煙の機会があったか否かを場所別に尋ねた結果が次のグラフ。家庭では毎日、それ以外では足を運んだ経験がある人のうち、月1以上で機会があった人の割合を示している。

↑ 現在習慣的に喫煙している人以外で受動喫煙の機会がある人(家庭は毎日、それ以外は月一以上(「行かなかった」除く))
↑ 現在習慣的に喫煙している人以外で受動喫煙の機会がある人(家庭は毎日、それ以外は月一以上(「行かなかった」除く))

調査実施年にすき間があるのも合わせ、いくぶんのぶれはあるが、家庭や職場など繰り返して同じ場所に足を運ぶ場所を中心に、おおよそ減少する傾向にある。また各公的機関や不特定多数が集まる場所では分煙・禁煙化が進んでいるものの、まだ十分とは言い難い実態も見えてくる。少なくとも嫌煙家にはそのように見える値ではある。

■関連記事:

【男性25.4%・女性7.7%…喫煙率の実情をさぐる(2023年公開版)】

【進む若者のたばこ離れ…アメリカ合衆国の喫煙率推移をさぐる】

※国民健康・栄養調査

健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素など摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とするもの。調査時期は2022年11~12月中。今回調査分では調査実施世帯数は2910世帯で、調査方法は調査票方式。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

「グラフ化してみる」「さぐる」ジャーナブロガー 検証・解説者

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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