Yahoo!ニュース

出掛ける前からジャズ気分:ジャズの土台=ベースを進化させる10年の軌跡(中村健吾@MBY)

富澤えいち音楽ライター/ジャズ評論家
中村健吾『ルーツ』
中村健吾『ルーツ』

ベーシストの中村健吾が、彼の足跡のターニングポイントとなった2005年のサード・アルバム『ルーツ』のリリースから10年という節目を記念したライヴ・ツアーを行なう。横浜のモーション・ブルー・ヨコハマでのステージはその皮切り。

大阪市出身の中村健吾は17歳でベースを始め、1988年に渡米してバークリー音楽大学に入学。卒業後の1991年にはニューヨークへ移って、ウイントン・マルサリスが音楽監督であるリンカーンセンター・ジャズ・オーケストラに参加するなどジャズの最前線での経験を積んだ。2010年には日本に拠点を移し、日本のジャズ・シーンを牽引するべく多忙な毎日を送っている。

『ルーツ』は、中村健吾の“ジャズのルーツ”を探ることをテーマに掲げ、しかし影響を受けたジャズ・ナンバーのカヴァーをメインに展開するのではなく、10曲中7曲を自己オリジナル曲で構成するという意欲あふれる内容だった。

今回のツアーは、『ルーツ』にも参加したマーカス・プリンタップ、ウェス・“ウォームダディ”・アンダーソンらとともに、日米豪のインターナショナルなメンバーでのバンドを結成。

新たなDecade=10年を築く礎となる“進化した根っこ”をどのように展開しようとするのかーー楽しみだ。

●公演概要

8月26日(火) 開場 17:30/開演 19:00&21:00

会場:モーション・ブルー・ヨコハマ(横浜)

出演:中村健吾(ベース)、マーカス・プリンタップ(トランペット)、ウェス・“ウォームダディ”・アンダーソン(アルト・サックス)、アンドリュー・ディケソン(ドラム)、菊池太光(ピアノ)

♪Midnight Blues (Kengo Nakamura Quintet)

音楽ライター/ジャズ評論家

東京生まれ。学生時代に専門誌「ジャズライフ」などでライター活動を開始、ミュージシャンのインタビューやライヴ取材に明け暮れる。専門誌以外にもファッション誌や一般情報誌のジャズ企画で構成や執筆を担当するなど、トレンドとしてのジャズの紹介や分析にも数多く関わる。2004年『ジャズを読む事典』(NHK出版生活人新書)、2012年『頑張らないジャズの聴き方』(ヤマハミュージックメディア)、を上梓。2012年からYahoo!ニュース個人のオーサーとして記事を提供中。2022年文庫版『ジャズの聴き方を見つける本』(ヤマハミュージックHD)。

富澤えいちの最近の記事