完全試合の投手は佐々木朗希が「16人目」だが、捕手は松川虎生が「15人目」
佐々木朗希(千葉ロッテ・マリーンズ)は、完全試合を達成した史上16人目の投手となった。一方、佐々木とバッテリーを組んだ松川虎生は、完全試合でマスクをかぶった16人目の捕手ではない。15人目だ。
16度の完全試合のうち、5度目の1958年7月19日と9度目の1966年5月12日は、それぞれ、西村貞朗と和田博実、田中勉と和田のバッテリーだった。
和田は、1955年から1972年まで西鉄ライオンズでプレーした。この18シーズンに、西鉄の投手によるノーヒット・ノーランは6度を数える。完全試合以外の4度は、1955年6月4日、1964年5月16日、1966年6月12日、1967年9月17日。完全試合を含め、6度とも投手は違い、大津守、西村、井上善夫、田中、清俊彦、若生忠男だが、マスクをかぶっていたのは、日比野武、和田、和田、和田、和田、宮寺勝利だ。
田中と和田のバッテリーによる完全試合と、清と和田がバッテリーを組んだノーヒット・ノーランは、どちらも1966年というだけでなく、1ヵ月しか離れていない。
ちなみに、2007年の日本シリーズ第5戦を含むと、完全試合は17度となる。この時の投手は山井大介と岩瀬仁紀、捕手は谷繁元信だった。山井も岩瀬も、レギュラーシーズンでは完全試合を達成しておらず、レギュラーシーズンの完全試合でマスクをかぶった15人のなかに、谷繁はいない。
なお、メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)の完全試合は、1956年のワールドシリーズ第5戦を含めて23度だ。こちらも、日本プロ野球と同様に、23人の投手に対し、捕手は1人少ない。22人だ。ロン・ハッシーは、1981年5月15日にレン・バーカー、1991年7月28日にデニス・マルティネスとバッテリーを組んだ。投手だけでなく、在籍していたチームも異なる。1度目はクリーブランド・インディアンズ、2度目はモントリオール・エクスポズにいた。
現時点の日本プロ野球において、完全試合でマスクをかぶったことのある現役捕手は、松川しかいない。メジャーリーグでは、2012年6月13日の完全試合でマット・ケインとバッテリーを組んだバスター・ポージーが、昨シーズン限りで引退し、現役捕手は皆無となっている。
日本プロ野球で完全試合を達成した16人の投手については、こちらで書いた。