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「フースーヤ」を支える先輩の言葉、そして見据える今後

中西正男芸能記者
「フースーヤ」の田中ショータイムさん(左)と谷口理さん

今年のNHK上方漫才コンテストで優勝した「フースーヤ」。デビュー直後からキャッチーなネタで注目を集めメディア露出にも恵まれましたが、ここにきてさらに実力が評価されてもいます。桂文枝さん、中田カウスさん、「オール阪神・巨人」、「博多華丸・大吉」、「霜降り明星」、「令和ロマン」ら吉本興業の精鋭メンバーが出演するイベント「東京グランド花月」(9月17日~23日、東京・IMM THEATER)にも出演しますが、田中ショータイムさん(31)、谷口理さん(31)ともに見据える領域とは。

目に見える幸せ

谷口:今回「東京グランド花月」に出してもらうんですけど、劇場のすごみみたいなことは日ごろから痛感しています。

劇場、特に大阪・なんばグランド花月に出てらっしゃる方々は吉本興業の中でも選りすぐりの方々ですしね。僕らが出していただく時はトップバッターで出してもらうことが多いんですけど、自分たちとしては「よしよし」と思うくらいウケたと思っていても、次に出てこられる先輩はそこを軽々とこえる笑いを作られる。さらに次に出てくる師匠方はそこをも悠々とこえていかれる。ただただすごいなと思いますし、その中で感じる刺激もたくさんあります。

以前、くまだまさしさんと劇場でご一緒して、その後食事に行かせてもらった流れでうかがったんですけど、その言葉も深く刺さっています。

プロなので毎回100%のパフォーマンスをして、100%のウケを取るのは当たり前。120%をいかに作り出すのか。120%をやり続けて、プロの中から選ばれる存在になる。

心底共感しましたし、じゃ、自分はこの20をどう作るのか。何をやることが20になるのか。ネタ中にもっと大きな声を出すとか、それは違う。だったら、細かいことですけど、ひげをしっかり剃るとか、いつも身ぎれいにしておくとか、きっちりあいさつをするとか、直接評価ポイントにはなってなさそうなところにも力を入れる。そういうことなのかなと。

田中:僕は「ジャルジャル」さんにあこがれていたことをきっかけにこの世界に入ったんですけど、今でもお二人は変わらずバカバカしいことをやってらっしゃる。しかも、ここにきてもさらに精度を上げながらやってらっしゃる。

そんな姿を見ていると、こちらが力を抜いている場合じゃないですからね。もっともっとやらないといけない。

そんな思いでやって、今年NHK上方漫才コンテストで優勝することができたんですけど、その後、お仕事で「ジャルジャル」さんにお会いした時に「良かったな。やったな!」と言ってくださいまして。なんでしょうね、それが本当にうれしかったですね。

あと、先日「霜降り明星」のせいやさんの結婚式があって、出席させてもらったんです。本当にすごいメンバーがお見えになっていて、皆さんがせいやさんのことを愛している。本当にね、素晴らしい場だったんです。幸せって目に見えないものだと言われますけど、あの場では幸せが見えました。

それだけの場ができるということは、せいやさんがそういう生き方をされてきたということ。あそこまでの結婚式はできないとは思いますけど、自分が結婚する時には少しでもあの場に近づけるように頑張りたい。純粋にそう思いました。

目の前の人を全力で

谷口:せっかく素敵な世界に入ったので、なんとかここから先も思ったことをやっていきたいなと考えています。

いつになるか分かりませんけど、どこかでテレビで冠番組を持ちたい。それは思っています。今の時代、YouTubeもSNSもあるわけですけど、やっぱりテレビ。そこはこだわっている部分だと思います。

田中:「フースーヤ」が出てるから面白い。「フースーヤ」が出ているから見る。そんな存在になれたら本当にうれしいですね。

難しいことだと思いますし、どうやったらその領域にたどり着けるのか。それもはっきりしないくらいですけど、とにかく目の前の人を全力で笑わせる。毎回心底「面白い!」と思ってもらう。幼稚な考えかもしれませんけど、それしかないのかなと。

あとね、これはお笑いとは直接関係ないことかもしれませんけど、一昨日からジムに通い始めたんです。31歳になって、もともと細かったのがお酒も飲んでお腹は出てきて、本当にみすぼらしい体になってきたので、これはアカンとなったんです。

これが意外とというか、体を鍛えることがメンタルにも良い影響を与えるものだなと感じているんです。

しんどいことをやるわけですけど、その分、後ろめたさがなくなるというか。トレーニングしてから劇場に向かうと、気持ちが前向きな状態で行けるので、細かい話ですけど、全てにおいて軽やかに動ける感じは満喫しています。そうやっていろいろと新しいことを入れつつ、目指すべきところを目指したいと思っています。

谷口:…え、ジムに通うようになっての変化ですか?そうですねぇ、ジムに通い出してから彼と会うのが今日が初めてなので(笑)。まだ何も分かりませんけど、近い将来、目に見える結果を出してくれると信じています。

(撮影・中西正男)

■フースーヤ

1993年7月10日生まれの田中ショータイムと、93年5月1日生まれの谷口理が2016年にコンビ結成。ともに兵庫県出身。吉本興業所属。高校の同級生として出会い、NSC大阪校に38期生として入学する。フジテレビ「新しい波24」、CBCテレビ「本能Z」などでデビュー直後からリズミカルでキャッチーな芸風で注目を集める。今年のNHK上方漫才コンテストで優勝。イベント「東京グランド花月」(9月17日~23日、東京・IMM THEATER)にも出演する。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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