食事の時に新聞・雑誌を読んだりテレビを視聴している人はどれぐらいいるのだろうか(2024年公開版)
食事時には食事に専念するのが礼儀正しい作法ではあるのだが、テレビを見ながらなどの「ながら行動」も一般化し、あまり作法にこだわるべきではないとの指摘もある。今回は総務省統計局の「令和3年社会生活基本調査」(※)の結果を用い、食事時の「ながら行動」としてよく知られている、テレビ視聴と新聞や雑誌の閲読などの関係を確認する。
次に示すのは食事をする際に、対象となる行動をいわゆる「ながら行動」としてしている人の割合。例えば朝食時の新聞・雑誌は男性で3.0%とあるので、全体として朝食をとる男性の3.0%は新聞や雑誌を見ながら食事をしていることになる。なおコンピューターの使用とは、パソコンだけでなくスマートフォンや従来型携帯電話、タブレット型端末などを用いたインターネットの使用も含まれている。食卓にノートパソコンを持ち込んでタイピングをしながら食事をするだけではない。
恐らくはスマートフォンがメインであろう、コンピューターの使用は男性で6.5%、女性で5.0%。新聞や雑誌は意外に少なく、それぞれ3.0%・1.6%。テレビは多めで1割強が見ている計算になる。テレビはともかく、コンピューターを使ったり新聞や雑誌を読みながら朝食をとる人は少数。
これが昼食となると状況が一転する。
昼食時に新聞や雑誌を読んでいる人はほとんどいなくなる。一方でコンピューターを使う人は男性で13.4%、女性で11.2%と大幅に増える。これは平日の職場で昼食をとりながら自分のパソコン端末やスマートフォンを操作する人がいるのが原因。行儀の善し悪しに目ざとい人もいないため、安心して「ながら活動」ができる次第。テレビが朝食時と比べて減るのも多くの人が学校や職場にいるため。
最後に夕食。
夕食は自宅でとることになるのが多いためか、コンピューターの使用は昼食時と比べて低くなるものの、朝食よりは高い値。一人で夕食をとる人もいるためだろうか。他方、テレビを見ながらの人は朝食よりも高くなり、1割台後半に。テレビを見ながら夕食をとる人はおおよそ6人に1人という計算になる。
食事の際の「ながら行動」は行儀が悪いとの問題にとどまらず、意識が分散するために消化が悪くなるとの指摘もある。一方でテレビ視聴のように今や日常に浸透した様式となったものもある。どのように対処するかは個々の認識に任せるしかあるまい。
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※令和3年社会生活基本調査
国勢調査の調査区のうち、総務大臣の指定する約7600調査区に対して行われたもので、指定調査区から選定した約9万1000世帯に居住する10歳以上の世帯員約19万人を対象としている。ただし外国の外交団やその家族、外国の軍人やその関係者、自衛隊の営舎内や艦船内の居住者、刑務所などに収容されている人、社会福祉施設や病院、療養所に入所・入院している人は対象外。2021年10月20日現在の実情について回答してもらっているが、生活時間については2021年10月16日から10月24日までの9日間のうち、調査区ごとに指定した連続する2日間についての調査となる。調査方法は調査員による調査世帯への調査票配布と、調査員への提出あるいはインターネットでの回答による回収方式。
調査は5年おきに実施されており、過去の調査もほぼ同様の様式で行われている。
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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。
(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。
(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。