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歯茎、顔、喉の痛み。副鼻腔炎の疑いあり

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:副鼻腔炎で喉にうみ(読売新聞)

上の歯茎が痛いな~と感じたことがあった。虫歯にしては広範囲だけれどとりあえず歯医者に行こう。当時住んでいた街では「腕が良くて丁寧」と評判の歯科医院(東京都杉並区の「にしわき歯科」)にかかったのが幸いだったのかもしれない。受診して数分後に、「歯には問題ありません。おそらく副鼻腔炎だと思います。耳鼻科に行ってください」と告げられた。

はい? 耳鼻科? 歯茎が痛いと思っていたのに……。歯医者によれば、目や鼻の周囲には副鼻腔と言われる空洞があって、風邪などをきっかけに炎症を起こすと痛むことがあるという。半信半疑で耳鼻科に赴き、レントゲンを撮ってもらうと見事に副鼻腔炎。薬を処方してもらったら、半日後には痛みが引いた。

先日は妻が長引く頭痛に悩んでいた。どのへんが痛いのかと聞くと、「おでこのあたり。奥ではなく表面近くが痛む」という。頭痛というより顔痛である。風邪薬や頭痛薬を飲んでもなぜか効かない。例の歯医者の真似をして耳鼻科を勧めてみたら、やはり副鼻腔炎との診断。けっこう身近な症状なのだと実感した。

副鼻腔炎を放置して慢性化させると「蓄のう症」になり、鼻づまりや頭痛、嗅覚障害の原因になるらしい。僕はただでさえハウスダストのアレルギー性鼻炎なので、さらに蓄のう症になったりしたら鼻を失ったも同然だ。気をつけなくちゃ……。

今朝の読売新聞によると、副鼻腔炎でせきが出ることもある。後鼻漏といって、副鼻腔炎によるうみなどが鼻から喉の奥に流れ込み、そこでも炎症を起こす。すると気管が反応してせきが出る。

喉の痛みやせきの原因が副鼻腔炎だとは普通は思いつかない。記事で紹介されていた患者は様々な薬を飲んでも症状が改善せず、「肺がんではないか」と不安になったらしい。精神的に参ってしまいそうだ。

うれしいことに初期の副鼻腔炎ならば薬を飲むとほぼ一発で治る。「西洋医学、万歳!」と叫びたくなるようなスッキリ感だ。

歯茎の痛みを「副鼻腔炎かもしれない」と言ってくれた歯医者は偉いと改めて思う。自らの専門分野の効果と限界を知り、他の分野による解決も予測して提案できる人こそが真の専門家だ。

謙虚であるとは「自信がない」ことではなく、「全体の中での己れを知っている」ことだと思う。専門家を要するのは医療だけでない。仕事や生活に関わる様々な分野で謙虚な専門家たちを少しでも多く見知っておきたい。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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