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【泉佐野市】往復1時間の日帰り旅。秘境ムード漂う「レトロ温泉」でお盆疲れをリセット。

旅する日々の記憶と記録。matka08ライター(泉佐野市など)

3年ぶりの行動制限のない夏休みが、まもなく終わろうとしています。

心配ごとが続く中、楽しいはずの帰省や旅行が却って疲れを溜め込む原因となってしまった…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

わたしも例に漏れず、その中の一人です。今回は、ほんのわずかな時間で“人里離れた秘湯の雰囲気”が味わえる「レトロ温泉」日帰り旅をご紹介します。あえて「旅」と称したのは、“旅気分”で訪れてほしいから。

「旅」といっても半日で行けちゃうからお休みを有効活用できること間違いなしですよ。

美人の湯処「犬鳴温泉センター」

犬鳴山温泉郷にある昭和52年創業の「犬鳴温泉センター」は、緑深い自然豊かな犬鳴山麓にひっそりと佇む温泉施設。昭和の温泉旅館を彷彿とさせる建物は、どこか懐かしく“幼い頃の夏休み”を想起させます。

犬鳴山付近は、大正時代から七宝瀧寺(犬鳴山不動明王)の門前町として知られるパワースポット。当時から自噴していた温泉は、薬湯として親しまれていたそうです。泉質は純重曹泉で、リウマチ、神経痛、胃腸病、皮膚病、糖尿病などに効能があり、美容液のようなトロリとしたお湯は、美人の湯、美肌の湯とも呼ばれています。

看板犬のリリーちゃんがお出迎えしてくれました。

今回ご案内いただいた2代目女将兼社長の上野恭子さん。美肌の持ち主であることは一目瞭然。上野さんを“お母さん”と慕って訪れる常連さんがたくさんいらっしゃるのも納得で、初対面のわたしにも気さくに接してくださいました。

玄関正面に掲げられた漢書(鶴は千年の松に宿る)は、先代が書かれたものだそう。

「先代は、字を書くことが好きで、英語やフランス語などの語学も堪能でした。とても賢い方でした」と女将の上野さんは話されます。

創業当時の色褪せた写真が、46年という月日の長さを感じさせます。

利用料金

「温泉付きランチコース」2275円(税込)

「日帰り温泉」大人 900円(税込)、子ども 500円(税込)

*3歳以下無料

「その他軽食いろいろ」500円(税込)~

【平日のみ家族風呂あり】

*お電話で要予約

*「日帰り温泉」の利用料金のみで貸し切り可

*男風呂or女風呂はご指定いただけません。

*混雑状況によっては利用できない日もあります。

「日帰り温泉」の利用料金のみで、家族で貸切れるなんてとても良心的。

オムツのとれていない赤ちゃんでも入れるそうですので、赤ちゃん連れのお母さんにもおススメ。たった900円(税込)で人目を気にせず赤ちゃんと入浴できる施設なんて、そうないと思いますよ♪

お食事メニュー

「茶わんむし」は、冬季のみ提供
「茶わんむし」は、冬季のみ提供

ランチ利用できる時間帯は11時~15時頃。温泉付きランチと単品はすべて税込みです。日帰りは、別途入湯税(1人1日75円)が加算され、宿泊の場合の入湯税は、1人1泊150円となります。*12歳未満は非課税

今回は、温泉付きランチコースの「釜飯御膳」をオーダーすることにしました。

「お食事の用意をする間、温泉に入ってこられたらどうですか?」という上野さんのお言葉に甘えて、離れにある温泉へ向かうことにしました。

貴重品をロッカーに預け、タオルを持っていざ温泉へ。

*タオルの貸出などはありませんので各自ご準備を。

秘境ムード漂う「レトロ温泉」

本館入って左奥の通路を抜けたところに温泉があるようです。ちょっと離れたところに温泉があるというのも秘境ムード満点。

階段を下ったところにトイレがあります。温泉がある建物は、トイレがないのでここで済ませておきましょう。

レトロなタイルがかわいい
レトロなタイルがかわいい

秘境の雰囲気ありますね! 「犬鳴温泉センター」は、なんと3回も火曜サスペンス劇場の舞台になったそうですよ。

川のせせらぎに耳を傾け、通りに咲いていたアジサイを愛でながら渓流沿いの渡り廊下を進みます。わたしは泉南市に住んでいるのですが、家から30分(車で)の場所とは思えないほど、小旅行気分を味わっています。

「女湯」が見えてきました。

布袋さん?

「女湯」
「女湯」

今の時期は、蚊やアブも多いので扉を開けたらすぐに閉めてくださいとのこと。

広々とした脱衣所は、昭和レトロな雰囲気。

反対側から撮影
反対側から撮影

大きな窓からの景観が、秘境ムードを盛り上げてくれています。昔からもう何度も足を運んでいるような懐かしさです。

取材に訪れたのは、朝一番の9時頃。朝の光が差し込む浴場が美しく、この眺めだけでも癒されます。「犬鳴温泉センター」は源泉100%の温泉。泉質は和歌山の龍神温泉と同じというから驚きです。

20度前後で湧き出る源泉を38度ほどに加温(冬季は39度~40度)。2日に一度入れ替えるというお湯は、透明度も高くとても綺麗。ぬるめのお湯は、副交感神経を刺激してリラックス効果も抜群です。

温泉に浸かりながら見上げた先に、光に照らされた緑が。美しい景観に心もからだも癒されます。

お湯のトロトロ感伝わりますか? 美容液のように肌あたりの柔らかい優しいお湯は、老若男女に好まれるお湯だと思います。特に女性は、お肌がツルツルになる“美肌効果”はうれしいですよね。

トロトロ~
トロトロ~

「ボディソープ」と「リンスインシャンプー」は完備されていましたが、愛用中のものを持って行っても良さそうです。

利用者さんがいらっしゃらない時間帯だったので、「男湯」も覗かせていただきました。

「女湯」から少し歩いた先に「男湯」がありました。

遊びに来ているご近所のねこちゃん♪
遊びに来ているご近所のねこちゃん♪

連なる2面の大きな窓から「日本庭園」が眺められる「男湯」。“秘湯感”の強い「女湯」とは打って変わってこちらは“老舗旅館のお風呂”といった趣。ここまで窓の面積が大きいと、まるで露天風呂のようです。

「家族風呂」(貸し切り)利用の際は、空いている方(男湯or女湯)を利用するとのことですので、どちらになるのか楽しみですね。

「男湯」の少し先にある“休憩処”
「男湯」の少し先にある“休憩処”

お風呂上りに一服する場所としては、最高に贅沢な景観です。

1500坪もの広大な敷地を有する「犬鳴温泉センター」は、この先にも別館へ繋がる日本庭園があります。現在、別館は宿泊者のみ利用可能とのことで、

1泊2食付き、平日9680円(税込)土日祝10890円(税込)

夕食の懐石料理は、

鴨鍋

肉の陶板焼き

天ぷら

お刺身

かに酢

鮎の塩焼き

茶碗蒸し

ご飯

漬物

と、超豪華! 1日1組~2組限定で、電話予約受付中とのことですから、小さなお子さんがいらっしゃるご家族は川遊びも兼ねて、シニアの方はご夫婦でのんびり、秘境ムード漂う温泉で一泊されてみてはいかがでしょうか?

宿泊棟の「別館」
宿泊棟の「別館」

コロナの感染状況が拡大する以前は、休憩所として利用していた「離れ家」が数件ありました
コロナの感染状況が拡大する以前は、休憩所として利用していた「離れ家」が数件ありました

そろそろお腹がすいてきたので、広間で食事をいただきたいと思います。

BGMは川のせせらぎと虫の声。豊かな自然に囲まれた懐かしい風景の「広間」

食事場所の「広間」
食事場所の「広間」

川のせせらぎや虫の声をBGMに、素晴らしい景観と共にお食事をいただける「広間」は、現在の座席数は11席(4人がけ)。感染症対策もあり、感覚をあけてゆったりテーブルを配されています。*通常営業時は20席(4人がけ)

冷房なしとは思えないほど涼しく快適に過ごせます。

「温泉付きランチコース」は終日過ごせるから、お休みの日に一家団欒もいいですね(温泉に何度入ってもOK)。

窓からの景色も最高!
窓からの景色も最高!

子どもの絵本やおもちゃもありました。小さな子どもも飽きることなく過ごせそうですね。

現在は感染症対策のため、手の消毒、検温、マスク着用、5人以上のグループは2or3席に分かれて座るなどのルールを設けられているそうです。訪れた人たちが気持ちよく過ごせるようにルールやマナーはしっかり守りたいですね。

お料理が運ばれてきました。

「釜飯御膳」*「温泉付きランチコース」2275円(税込)
「釜飯御膳」*「温泉付きランチコース」2275円(税込)

釜飯にエビやお野菜の天ぷら、和え物、煮物、そうめんなども付いていて、とても豪華です。「まずは、冷たいそうめんからどうぞ~」と女将。温泉でホカホカに温まった身体に冷たいそうめんが染みる! 

こちらは、出来立てアツアツの釜飯。

しっかり味付けのされた釜飯は、こころなしか“秋のお味”。ボリューム満点で品数も多く、食べきれるか心配でしたが“おふくろの味”が美味しくてペロリと完食してしまいました。

ビールが飲みたいけどここは我慢。

運転の心配がない方はお酒をどうぞ。*未成年の飲酒は法律で禁止されています。

自販機も設置されていますので、子どものジュースはこちらからお買い求めくださいね。

お風呂上りに休憩処でリラックス

玄関横の休憩スペースで、お風呂上りにテレビを観ながらのんびり過ごすこともできます。

マッサージチェア(7分100円)もあるから、つい長居してしまいそうですね 。

犬鳴山はご存じの通り周辺の環境も素晴らしく、ハイキングコースとしても有名です。

「大阪府みどりの百選」にも選ばれた犬鳴山。犬鳴山中には大小四十八滝があり、四季折々の美しい景観を楽しむことができます
「大阪府みどりの百選」にも選ばれた犬鳴山。犬鳴山中には大小四十八滝があり、四季折々の美しい景観を楽しむことができます

「最近、ツクツクボウシが鳴きはじめ、コオロギやトンボを見かけるようになりました。もうすぐ秋ですね。紅葉の時期は、辺り一帯が赤く染まって素晴らしい景観になるんですよ」と上野さん。

これからの季節、ハイキング帰りに訪れるのも良さそうですね。

「レトロ温泉」日帰り旅はいかがでしたか?

「犬鳴温泉センター」は、子どもの頃「親戚一同」で集まった温泉旅館のようで、懐かしさにあふれていました。川遊び、虫取り、スイカ割り、花火、温泉、広間でワイワイおいしいご飯・・・。昭和の古き良き時代を想起させる、そんな場所。おそらく昭和世代の方には懐かしく、子どもたちにとっては新鮮な場所かもしれません。大阪の奥座敷として親しまれている犬鳴山温泉秘境ムード漂う素敵な温泉が地元にあることを再認識してほしいこの素敵な場所を地域のみなさんで盛り上げてほしい。今回はそんな思いで取材いたしました。

半日もあれば十分ゆっくり過ごせる「犬鳴温泉センター」に、お盆疲れを癒しに出かけませんか?

フォトギャラリー

~「犬鳴温泉センター」でみつけた「レトロかわいいものたち」~

【基本情報】

スポット名:「犬鳴山温泉センター」
住所:〒598-0023泉佐野市大木2238
アクセス:南海本線「泉佐野」駅より南海バス(犬鳴山行き)で30分、「犬鳴山」下車徒歩3分、JR「日根野」駅より南海バス(犬鳴山行き)で20分、「犬鳴山」下車徒歩3分、関西空港自動車道「上之郷IC」より15分
Tel:072-459-7208 
営業時間:9:00-17:00(平日)、9:00-18:00(土日祝)
定休日:水曜日
駐車場:あり(20台)
取材・撮影協力 (株)犬鳴温泉センター 女将兼社長 上野恭子様

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ライター(泉佐野市など)

大阪府泉南市・泉南郡・泉佐野市担当。 なんでもない日々を旅するように暮らす日常写真家。「ローライ35s」という小さなフィルムカメラでささやかな日常を記録しています。私たちのまちのちょっとうれしくなるあんなことこんなこと。みなさまの日常がもっともっと楽しくなりますように。 2023年2月、2023年5月、2024年9月MVA受賞

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