ジョンソン英首相もチャールズ皇太子も感染 新型コロナの“3密ビジネス”閉鎖で米失業者は330万人に
[ロンドン発]ボリス・ジョンソン首相は27日午前「この24時間軽い症状がみられたので、検査を受けたところ陽性だった。今自己隔離している。ビデオ会議を通じて政府を率いる。力を合わせてウイルスをやっつけよう。自宅にいよう。命を救うために」とツイート。
イギリスではチャールズ皇太子の感染も確認されています。
新型コロナウイルスの感染者数が一気に中国を追い越したアメリカで失業手当を申請するアメリカ人の数が過去最高に達しました。まず米セントルイス連邦準備銀行の研究部門が管理するデータベース(FRED)のグラフをご覧ください。
突如として折れ線グラフが跳ね上がっていることがお分かりになると思います。米労働省の3月26日発表によると、21日までの1週間に失業手当を申請するために登録したのは328万3000人。前週から実に300万1000人も増加しました。
過去最高はこれまで世界的な不況に見舞われた1982年10月の69万5000件。今回の新型コロナウイルス対策では5倍近くに膨れ上がってしまいました。
新型コロナウイルスがクラスター(感染者の集団)を生む(1)換気の悪い密閉空間(2)人が密集する場所(3)密接した近距離での会話の“3つの密”に該当するレストラン、バー、映画館、ホテル、ジムを閉鎖したことが大量の失業者を生み出しました。
日本の労働政策研究・研修機構によると、アメリカの失業保険は使用者と労働者が負担を折半する日本式とは異なり、全額が使用者負担。使用者が負担する掛け金は失業保険税として連邦政府、州政府双方によって徴収される仕組みだそうです。
自動車メーカーは生産を停止し、空の旅は劇的に減少。エコノミストによると、アメリカの労働力の5分の1は何らかの形でロックダウン(都市封鎖)の影響を受けています。英BBC放送は、2008年の世界金融危機の最悪期を5倍以上上回る深刻さだと報じています。
米労働省の発表資料をもとに各州の新規登録件数(1週間)が前週に比べてどれだけ増えたのかをグラフにしてみました。日本がロックダウンの追い込まれた時のことを考えると正直震え上がってしまいます。いったい世界中で何人の人が失業することになるのでしょう。
アメリカの失業率はバラク・オバマ前大統領時代から下がり始め、今年2月時点で完全雇用に近い3.5%にまで下がっていました。労働省の統計を見ると、1948年以降で失業率が最も低かったのは1953年の2.5%。
ドナルド・トランプ大統領は当初、新型コロナウイルスについて「民主党のデッチ上げだ」と軽視していましたが、11月の米大統領選での再選に赤信号が灯り始めています。
(おわり)