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【LOWRIDER】アウトローから華麗なる転身 でもそのスピリットは不変だ

佐川健太郎モーターサイクルジャーナリスト
Harley-Davidson LOWRIDER

77年に登場した「ローライダー」は当時、米国を中心に世界で流行したチョッパー・スタイルにインスパイアされてハーレーが作った、いわばメーカーズカスタムモデルである。

チョッパーとは“ぶった切る”という意味で、余計なパーツを剥ぎ取ったシンプルな外見や角度を寝かせた長いフォーク、ロー&ロングなシルエットなどが主な特徴だ。

チョッパーを世に知らしめたのは、かの有名なアメリカンニューシネマの傑作「イージーライダー」で、当時の若者たちの反体制ムードや自由への憧れなどを背景に大ヒット。その主人公が乗っていたのがハーレーをカスタムしまくったチョッパーだった。

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▲2019年型ローライダー

その後、ローライダーはダイナファミリーを代表する人気モデルとなり今日に至るが、新ソフテイルファミリーに統合された2018モデルからは伝統を受け継ぎつつもエンジンと車体を完全新設計としたニューモデルとなっている。

もともとダイナはスポーツスター系の走りの良さにビッグツイン系のパワーを併せ持ったモデルとして知られているが、その中でも一番人気のアイコン的なモデルがこのローライダーだったのだ。

トップスローのグライド感が最高

◆Harley-Davidson LOWRIDER 動画インプレッション◆

エンジンは従来型のツインカム103の1689cからミルウォーキーエイト107の1745ccへと排気量がアップされ、当然のごとくエンジンはより力強くなっている。6速トップスローでドコドコ言わせながら高速道路をグライドする気持ち良さはまさにハーレーの真骨頂!

従来のダイナフレームではラバーブッシュマウントで振動を打ち消していたが、新ソフテイルではリジッドマウントに変更されて鼓動感もよりダイレクトに乗り手に伝えつつ、バランサーによって振動は低減され長時間乗っていても疲れにくくなっている。

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コーナリング性能もさらに進化

ニューソフテイルの一員となってさらに走りも磨かれた。車重は従来型から11kg軽量化された300kgとなり新ソフテイルの中でも最軽量クラスだ。フロント19インチのおおらかなハンドリングは変わらないが、フロントブレーキがダブルディスクからシングルになり軽量化されたことでハンドリングも軽快に。

それでいてリヤタイヤのサイズは160から180へとワイド化されてコーナリングでの安定感も向上。ディメンションの改良によってバンク角も増えている。

また、ライポジもハンドルが手前にプルバックされて近くなり、逆にステップは従来のミッドコントロールから若干前方に移ったミッドフォワード的になるなど、ゆったりとした本来のカスタムクルーザーテイストに似合ったライポジになったと思う。

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これが現代のローライダーだ

新型では美しいラウンド形状のエアクリーナーカバーが採用され、マフラーも2本のテールエンドが切りそろえられた端正なショットガンタイプになっている。さらにマフラーは完全に地面と水平方向に延ばされて、ロー&ロングな車体がさらにストレッチして見える効果も生み出すなどデザインも洗練された。

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▲新型ローライダー(左)と従来型(右)

また、従来型のダイナフレームに特徴的だったツインリヤショックや箱形バッテリーケースは廃され、足まわりも従来のダブルディスクはシングル化、キャストホイールのスポークもよりスリムで繊細なデザインに作り変えられた。

ローライダーと言えばダイナ時代のツインショックが正統派という人もいるかもしれないが、そういう色眼鏡を外してぜひ先入観なしに実物を見てもらいたいと思う。

機械としての完成度は高めながら、従来からローライダーが持っていた豪快な走りのテイストも受け継ぎつつ、さらにデザインと装備は現代的に洗練されている。自分としてはそこに文句のつけようもなく、まさしく正常進化と思う。これが今のローライダーなのだと胸を張れるモデルだ。

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出典:Webikeバイクニュース

モーターサイクルジャーナリスト

63年東京生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、RECRUITグループ、販促コンサルタント会社を経て独立。趣味が高じてモータージャーナルの世界へ。編集者を経て現在はジャーナリストとして2輪専門誌やWEBメディアで活躍する傍ら、「ライディングアカデミー東京」校長を務めるなど、セーフティライディングの普及にも注力。㈱モト・マニアックス代表。「Webikeバイクニュース」編集長。日本交通心理学会員 交通心理士。MFJ認定インストラクター。

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