ネット選挙とクラウドファンディング、近隣分野についての制度に関する私見
最近、再びネット選挙関連の法改正に関連した動きが活発化していて(各党協議会の設置等)、関連してインフォーマルに私見を問い合わせいただくことが増えてきました。あまり旗幟鮮明にすると、(ビジネス)チャンスを逃しかねないなどと一瞬思ったのですが、よく考えてみればビジネスパーソンでもないので、私見を書いてみます。
ネット選挙運動(有権者のメール解禁等)はさらに解禁(公選法)、クラウドファンディング等を認めるべき(政治資金規正法)、文書図画と個別訪問の制限見直し(公選法)、電子投票は原則保留というのが現時点での私見です。
理由は、ネット選挙運動で、有権者と政治側で、政治側のほうが利活用できる範囲が広くなっており、両者の情報の非対称性に違和を感じること。現時点における政治のクラウドファンディングは、「売買契約型」「購入型」含め、事実上の「寄附」に近く、クレジットカードのオンライン寄附含めまともに使えるように制度設計すべきと考えるから。ネット選挙運動の解禁が公選法上の文書図画の利活用に関する、ひとつの新しいスタンダードとするなら、他の文書図画についてもネットの影響力や広告費をひとつの尺度に一定程度制限を緩和してもよいと考えられるから。ただし、電子投票については、秘密選挙の原則や、公務としての投票行動の性質を変容しかねないので、これらの課題が解決されない限り、現時点では解禁する合理的理由に欠くと考えられるからです。