今季打率は1割6分8厘 MLBワースト記録を更新してしまった年俸23億円選手
現地28日現在で46勝112敗と、今シーズンのMLB最低勝率が確定しているオリオールの惨状を象徴するような選手がいる。
かつて2013年に53本塁打&138打点で二冠王に輝き、MLB屈指の長距離砲として名を馳せたクリス・デービス選手をご存じだろうか。MLB公式サイトが報じたところでは、同選手はシーズン最後のアストロズ4連戦に出場しないことが明らかになり、今シーズンの打率が.168で確定したことで、MLBワースト記録を更新することになった。
実はスポーツ専門サイトの『Bleacher Report』が今年8月の段階で、デービス選手の打撃不振とともにMLBワースト記録更新の可能性を指摘する記事をまとめていた。当時の打率は.161だったので、わずかばかり上げることに成功しているが、これまでの記録が1991年のロブ・ディア選手(タイガース)と2013年にダン・ウグラ選手(ブレーブス)が記録した.179だったので、1分以上も下回る結果になってしまった。
今シーズンのデービス選手は128試合に出場し、安打数はわずか79本。8月の月間打率で.226を記録しているものの、シーズン開幕から最後まで一度も.200を超えることはなかった。今シーズンの最高打率は5月4日時点で記録した.186という有様だった。
こうなるとメディアも突っ込みを入れたくなるのが、デービス選手の年俸だ。今シーズンはチーム1位の2116万9326ドル(約23億円)。しかも彼は2015年オフに総額1億6100万ドルの7年契約(1年平均2300万ドル)という大型契約を結んでおり、今後も2022年まで20億円以上の年俸を払い続けなければならないのだ。
もちろんチームにとって大きな誤算だ。大型契約を結んだ2015年は47本塁打を放ち、2度目の本塁打王に輝いており、選手として絶頂期を迎えていた。誰もが今後のデービス選手に期待を寄せて当然だった。ところが2016年以降は打撃不振が進行していき、安打数(125、98、79)、本塁打数(38、26、16)、打点(84、61、49)──と、あらゆる打撃カテゴリーが年々下降線の一途を辿っている状況だ。
来年3月で33歳になるデービス選手。果たして彼の復活は期待できるのだろうか。