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ケン・グリフィーJr.子息がNFLドルフィンズ入り

菊地慶剛スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師
父ケン・グリフィー氏の式典に参加するトレイ・グリフィー選手(右)(写真:ロイター/アフロ)

 NFLのマイアミ・ドルフィンズが15日、トレイ・グリフィー選手の獲得を発表すると、そのニュースが全米中に広がった。今年アリゾナ大を卒業したドラフト外の選手にも関わらず、注目を集める理由があったからだ。

 父親は、MLB在籍22年間で通算630本塁打を記録し、走攻守揃った左の強打者として一時代を築き、昨年史上最多得票で殿堂入りを果たしたケン・グリフィーJr.氏だからだ。

 ケン・グリフィーJr.氏も元々はMLBでは有名な“親子鷹”と知られ、1990、1991年にマリナーズで父ケン・グリフィー氏とチームメイトとしてプレーした経験もあるほど。

 実はトレイ・グリフィー選手もアリゾナ大では中堅手として野球でも活躍し、3年時の2016年にマリナーズからドラフト指名を受けていた。しかも父親の背番号「24」にちなんで、24巡目指名だった(ただ24巡目は決して高い評価ではなく、指名順位を調整できるほど他のチームからもマークされていなかったことを意味する)。

 だがトレイ選手は大学残留を決め、野球ではなくフットボールの道を選択。残念ながら今年のドラフト指名されなかったが、5月4日にFA選手としてインディアナポリス・コルツと契約合意し、念願のNFL入りを果たした。しかしわずか2ヶ月後の7月7日に解雇処分になったため未契約の状態でドルフィンズの練習に参加。このたびようやく正式契約を勝ち取ることに成功した。

 もちろんドラフト外の選手が生き残るのは相当に厳しい世界だ。すでにファンの中には“親の七光り”と揶揄する声も出ており、今後どこまで活躍できるのは未知数の状態だ。

 ちなみにトレイ選手のポジションはワイド・レシーバー(WR)で、瞬発力や跳躍力など高い身体能力が求められる。ケン・グリフィーJr.氏はMLB屈指のオールラウンド選手と言われてきただけに、父親譲りの身体能力を発揮できるのか注目が集まるところだ。

スポーツライター/近畿大学・大阪国際大学非常勤講師

1993年から米国を拠点にライター活動を開始。95年の野茂投手のドジャース入りで本格的なスポーツ取材を始め、20年以上に渡り米国の4大プロスポーツをはじめ様々な競技のスポーツ取材を経験する。また取材を通じて多くの一流アスリートと交流しながらスポーツが持つ魅力、可能性を認識し、社会におけるスポーツが果たすべき役割を研究テーマにする。2017年から日本に拠点を移し取材活動を続ける傍ら、非常勤講師として近畿大学で教壇に立ち大学アスリートを対象にスポーツについて論じる。在米中は取材や個人旅行で全50州に足を運び、各地事情にも精通している。

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