【赤穂市】安全な野菜を育てて料理を作り街の活性化に一役を!岡山から移住した20代の溝部兄弟に注目!
2021年に岡山から移住して、2022年4月から赤穂市内で就農する20代の兄弟、溝部光優(みつひろ)さん(27)と隆宏(たかひろ)さん(24)。ビーツやショウガ、ウコンなど約10種類の野菜とハーブを育てる農園「veg_farm_beet_it(ベジファームビートイット)」の収穫品で自家製スパイスを手がけ、オリジナルメニューを作り「Season's(シーズンス)」の屋号で、定期的にイベント出店しています。「いずれは街おこしの一環として活動したい」と話す溝部兄弟を取材してきました。
スパイス系の野菜とハーブを栽培
溝部兄弟の畑があるのは、赤穂市折方の一角。
2022年4月から契約して栽培を始めました。
700~800平方メートルの広さの畑で、ビーツ、ショウガ、ウコン、サトイモ、唐辛子など約10種類の野菜と、フェンネル、ディル、ミント、レモンバームといった7種類のハーブを、栽培期間中、農薬や化学肥料を不使用で育てています。
兄の溝部光優(みつひろ)さんです。
コロナ禍で仕事がなくなり、岡山で米や野菜を作る農家で働いたことから、自分で就農したいと思うようになったそうです。本格的に農業を始めたのが2021年の春でした。
光優さんは20代前半で、バックパッカーとして世界一周したことがあり、いろいろな地域でその土地ならではの食を楽しんできました。
そこで見つけた珍しい野菜が、日本の家庭で食文化の一環として、食卓に上がるようになったらいいなと思ったそうです。
そのなかの一つが、ロシアとの国境に近いジョージアという国で見つけた「ビーツ」だったのです。
光優さんは、使いやすさや見た目のインパクトにまずは魅了され、栄養価も高くスーパーフードとして注目され始めていた「ビーツ」をメインに栽培することにしました。
農園の名前も、ビーツにからめて「veg_farm_beet_it(ベジファームビートイット)」。
収穫したてのビーツです。
ビーツとひとことで言っても、実の色も違えば茎の色も違う。もちろん味も。
今期は、赤穂の気候風土に合うものを探すために、多品種のビーツを育てていました。
カラフルでかわいい~
ほら、実の色も全然違うでしょう。
種は、海外の野菜を専門に扱う業者から仕入れています。
「検疫の問題とかがクリアできれば、種から輸入したいですね」と光優さんは話します。
「Season'」の屋号で出店
弟の溝部隆宏さんです。
幼少期から赤穂が好きで、赤穂海浜公園などには何度も訪れていたという隆宏さん。
兄に先駆けて赤穂で暮らし始め、バイトをしながら農地を探していました。
ご縁があり就農したのが2022年4月。
いずれは自家製野菜を使うことを前提に、まずは自分たちの配合で作ったスパイスを使ったオリジナルメニューを考えました。
農業の傍ら「Season's(シーズンス)」の屋号で、料理や野菜を提供する店を出店し始めたのが、2022年5月のことでした。隆宏さんは主に出店部門を担います。
「Season's」の看板メニューがこちら「スパイスチキン」です。
自分たちが作った「ハラペーニョ(唐辛子の一種)」など、何種類かのスパイスを配合したタレに漬け込んだチキンをソテーしています。
いろいろなご縁で、坂越の酒蔵、奥藤酒造が手がけた麹を入手。その麹から作った塩麴をスパイスに調合することになり、さらに旨みがアップしました。
私もいただきましたが、味に深みがあって美味しい。
どんどん進化していって、食べるたびに旨みが増していっています。
自家製の「クラフトジンジャーエール」です。
シナモン、ハッカク、カルダモンなどを使った特製シロップを作り、炭酸で割ったものが「ジンジャエール」で、ハイボールで割ったものが「ジンジャーハイボール」です。
独特のテイストで、スパイス好きにはたまらない美味しさなのが魅力。
徐々に自分たちが作った野菜を入れて、タレやシロップを進化させています。
「何でスパイスなの?」と尋ねると「2人ともスパイスが好きだから」とのこと。
なかなかツーですな。
出店時は、こんな感じです。
特製スパイスチキンとクラフトジンジャエールをメインに、自分たちが作った野菜や、仲間の農場で作る野菜を一緒に販売したりすることも。
今後は、地元赤穂の牡蠣を使ったクラムチャウダーやビーツを使ったスパイスカレーなども提供する予定です。
1月の出店予定は次の通りです。出店依頼は随時受付中なので、興味のある方はぜひお問い合わせを。
北長瀬ストリートマーケット
とき:1月21日(土)10:00~16:00
ところ:ブランチ岡山北長瀬 mapはこちら
※毎月第3土・日開催
SOUND’S KITCHEN!
とき:1月22日(日)10:00~17:00
ところ:姫路・大手前公園 mapはこちら
おくとう市
とき:1月29日(日)10:00~15:00
ところ:赤穂・奥藤酒造 mapはこちら
今後の夢も大きいぞ
来期は作付面積を増やし、ビーツをメインにスパイス系の野菜をもっとたくさん作って、販売したり、自分たちの店の料理に活用するとのこと。
「安定的に作りたいのはもちろん、SDGsの一環として、売り上げの一部を食べ物に困っている国への国際支援に回したり、フードロス解消のため加工品を作ったりしたいですね。さらに農園を大きくして観光農園化を進め、外国人労働者の雇用につなげたい」と光優さん。
「農業と飲食をつなげるだけでなく、ゲストハウスを作って、赤穂市に外部から人を呼び込みたいですね。姫路城だけで終わってほしくない。赤穂温泉に入って、収穫体験して…。日本人だけでなく外国人観光客も赤穂に来てほしいですね」と隆宏さん。
2人の夢はワールドワイドで俯瞰的。こんな20代が就農して赤穂を盛り上げたいなんて、素晴らしいですよね。ブラボー!!!まだまだ捨てたもんじゃない、赤穂!
今後の溝部兄弟の活躍が益々楽しみですね。