標高66mわずか5分でこの景色! 散歩で行ける、山城の探し方と楽しみ方
関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
日帰りでちょっと出かけたいけど、近場ですいていて、自然が多い場所はないかなあ?というときにおすすめなのが「標高の低い山城」です。
山城(※)とは、文字通り山に築かれた城ですが、標高が低く5分程度で登れる山城(城跡)もあります。お城という性質上、展望が効く場所が多いのですが、時折お城ファンが訪ねるのみで、すいていることが多いです。
※厳密には、山城、平山城(丘城)という分類があります。
「地名+低い城」でのネット検索がおすすめ
低い山城探しは、「地名+低い城」でのネット検索がおすすめ。今回は千葉県茂原市を訪ねる機会があり、「茂原市+低い城」で出てきた、本納城址(ほんのうじょうし)を訪ねてみます。
JR外房線の本納(ほんのう)駅から、ふもとまで徒歩10分の場所です。
寺院(蓮福寺)の裏手に城跡があるようです。山門(お寺の正門)から見た、境内の様子。緑が豊かです。
風格のある本堂ながら、このときはお墓参りの夫婦に出会ったのみでした。本堂の裏が城跡(山城)です。
本堂の場所にあったものは?
本堂の場所から、新緑が美しい境内を見た様子です。もしブラタモリなら、案内人が「なぜここは1段高くなっているのでしょうか?」と尋ねそうな場所です。
洪水の被害に遭わないように…?? 良い景色で参拝客を出迎えるため…??
正解は分かりませんが、この場所には山城と一体化した居館があったという説もあるそうです。山の上の城は、戦時のみ使用し、普段は低いところを住居や政治の場にする場合があります。
このパターンはブラタモリ鹿児島編の鹿児島城(鶴丸城)で扱っていました。
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案内板によると、本納城は、何と室町時代の貴重な城跡! 中世(※)山城の姿を留める、貴重な場所とのことでした。
※平安後期から戦国時代
山城・本納城の標高はわずか66m! 緩やかな階段を5分も登れば到着の計算です。
※細かい分類では、平山城(ひらやまじろ、ひらやまじょう)。
わずか数分の「登山」ですが、素晴らしい景色が見られます。
ここは、攻めづらそうな難所。
本納城は、大枠で述べると小田原北条氏(関東一円を支配)と里見氏(『南総里見八犬伝』で知られる房総の戦国大名)の戦いに関係する歴史の舞台です。
※詳細に述べると土気城(とけじょう)が関与します。
山城跡からの見晴らし
お寺から5分と経たずに登頂。新緑の額縁から見る、素晴らしい眺めを堪能できました。
ちょっと気になるのが、鋭角の尾根が猫の尻尾のように左へカーブする地形。房総に多い「やせ尾根」と呼ぶそうですが、どのようにできたのでしょうか?
これは検索では明確な答えが分からなかったのですが、「台地が浸食されて形成された複雑な丘陵」という記述を見かけました。(関連する論文)
ブラタモリ館山編では「房総はフィリピン海プレートが沈み込む場所。それが北米プレートにぶつかり、乗っていた堆積物である付加体が房総半島に押し寄せた」とありました。しかし、館山市などが属する房総の西から南寄りと、茂原市が属する東寄りは距離が離れており、また別の成り立ちなのかも知れません。
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帰りに本納駅周辺をブラブラしていると、目立つ地形を発見!
見事な「やせ尾根」を背に、小学校の校舎が建っていました。土砂災害特別警戒区域・土砂災害警戒区域に指定され、現在この校舎は使用していないようです。
今回は、「地名+低い城」でネット検索し、誰もいない展望スポットに登頂できたばかりか、小田原北条氏と里見氏の戦い、やせ尾根の見学など盛りだくさんの旅となりました。
ぜひ「地名+低い城」で、あなただけの気軽に登れる山城を発見してみてください!
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