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もっともネット上で拡散されている元ネタはテレビ

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
↑ インターネット上で拡散される情報の元ネタ、一番使われるのはテレビ番組

ネット上の拡散情報の元ネタは「テレビ」が一番

インターネット上には他の人と情報を共有する、披露する場が多数設けられており、その場を介して情報は逐次シェア(共有)・拡散されていく。LINEでの身近な人とのやりとり、ツイッター上でのツイート、掲示板での書込み、ブログでの日記更新。手段は多種多様。それではその情報発信側の立場にとって、元ネタには何が使われているのだろうか。

次のグラフは電通グループの電通パブリックリレーションズが2013年9月に発表した、「ソーシャルメディア上で」リンクを含めた情報を第三者にシェア(共有)した経験を有する人(要は情報を周知拡散する性質を多分に持つ人。スニーザー(くしゃみをする人)とも呼ばれる)に対する調査結果を基にしたもの。どのような情報源の情報を、インターネット上で拡散したことがあるかを尋ねた結果、つまり「どのような元ネタがネット上で拡散されやすいか」を示している。

↑ オンラインで拡散したことがある情報源(複数回答)
↑ オンラインで拡散したことがある情報源(複数回答)

今項目は「オンラインで」シェアした情報の情報源を聞いているにも関わらず、トップに上げられたのはオフラインの「テレビ」。全体では36.8%、1/3を超えている。今調査別項目で「ネット上で情報拡散を行う傾向を持つ人は、ネット上の情報をオフライン上にも持ち込んで口コミする傾向が強い」ことが確認されている。今項目でオフラインの「テレビ」が最上位にあることから、オフラインとオンラインの間で頻繁に、見方を変えればオフ・オンの隔てなく情報のやり取りがされていることになる。

オンライン上の情報源では「Yahoo!ニュース」がトップ、「ツイッターのタイムライン」「新聞社サイト」が続く。「Yahoo!ニュース」「新聞社サイト」は確証性・信頼性の高さと取扱い範囲の広さ、「ツイッターのタイムライン」はシェアのしやすさに起因するものと考えられる。

テレビの情報は誰が拡散しているか

オンライン上の情報源を差し置いて、オフラインの「テレビ」が「オンライン上の拡散情報の一次ソース」のトップについている状況には少々驚かされる。そこで「テレビ」を元ネタとして拡散する人の具体的な属性別シェアを確認する。要は「どの世代・性別の人が、テレビのネタをネット上に広めやすいか」である。

↑ オンラインで拡散したことがある情報源(複数回答)(テレビ)(属性別)
↑ オンラインで拡散したことがある情報源(複数回答)(テレビ)(属性別)

女性の方が男性よりもテレビ情報のネットへのシェア率は高い。特に10代・20代は10%ポイント強と大きな差が開いている。これが30代以降になると男性とあまり変わらず、60歳以降ではむしろ女性の方が低い値を示す。これはテレビに流れる情報のシェア性向(テレビは概して芸能・ゴシップ系のネタが多く、それらは女性への受けが良い)に加えて、テレビそのものの視聴傾向も影響していると考えられる。そもそも論としてテレビを注視しない限り、その情報を発信しようとは考えないからだ。

一方男性は20代以降、ほとんど横ばい。これは男性において、一定数のテレビ視聴者・情報が居ることを示している(無論情報発信に長けた人限定での話)。

「テレビ」は4大従来メディア(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の中でも「インターネットにアクセスしながら」利用できるため、マルチタスク的なシェアが可能となる。いわゆる「実況」と呼ばれる利用スタイルが好例で、大手掲示板やチャットスタイルのソーシャルメディアでは、自然発生的なイベントが日常茶飯事的に行われている。これもテレビがソースとして使われやすい一因だろう。

突き詰めればオフラインもオンラインも情報の伝達手段、ツールでしかない。ツール間のハードルを飛び越えるだけの価値がある情報が発信されていれば、少なくともシェア好きな人は喜んでそのハードルを飛び越え、情報を取得し、シェアしていく。テレビがソースの最上位につくのも、ある意味当然なのだろう。

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グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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