大谷翔平の「1イニング未満」は昨年の復帰登板に続き2度目。他に初回を終えられなかった日本人投手は…
6月30日、「1番・投手」として出場した大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、1回裏を終わらせることができなかった。先頭打者から3人続けて歩かせ、2連打を喫して2失点。6人目から三振を奪い、7人目を三塁ゴロに討ち取り(その間に三塁走者は生還し、他の2人も進塁)、2アウトまでこぎ着けたが、与死球と与四球で4点目を取られて降板した。代わって登板したアーロン・スレガースが、走者一掃の二塁打を打たれ、大谷の失点と自責点は7に増えた。
大谷が1イニング未満で降板するのは、これが初めてではない。昨年の7月26日は、被安打、与四球、与四球、与四球、被安打、被安打。長打は打たれなかったものの、1アウトも記録できなかった。もっとも、この試合は、トミー・ジョン手術からの復帰登板だった。また、出場は投手のみ。今回のようなDH解除はしておらず、大谷と彼に続いて投げた投手たちに打順が回ってくることはなかった。
大谷の前には、3人の日本人投手が、先発登板した試合で、1回表あるいは裏の途中にマウンドを降りている。1998年4月18日(0.2イニング)の野茂英雄は、こちらも制球が定まらず、3連続の押し出しを含め、打者10人の半数を歩かせた。大家友和は2度だ。2002年4月17日(0.0イニング)は打者6人に投げ、与四球1を挟んで被安打5本。2003年5月2日(0.2イニング)は打者8人に対し、被安打6本。どちらも、ホームラン1本を含む長打3本を喫した。2019年6月29日(0.2イニング)の田中将大(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)は、3失点に続いて3ラン本塁打を打たれて降板。ロンドンで行われたこの試合は、1回表のマウンドに上がったリック・ポーセロも打ち込まれ、1アウトしか記録できなかった。どちらのチームも、初回に6点を挙げ、6点を取られた。
なお、大家の1度目と田中の試合、大谷の2度目(今回)は、チームが二桁得点を記録し、勝利を収めた。今回の場合、エンジェルスは4対8で迎えた9回表に、ジャレッド・ウォルシュがアロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)からグランドスラムを打って追いつき、そこからさらに3点を挙げた。
また、1度目の大谷は、続く登板も早々とマウンドを降りた。2回表に5人を歩かせ、そこで降板。右腕に違和感を訴え、この年は2登板に終わった。けれども、他の3人は、次の登板で持ち直した。野茂は8イニングを投げて2失点、大家は6イニングで4失点(自責点ゼロ)と8イニングで3失点。田中は6.1イニングで4失点ながら、降板時のスコアは3対2だった。
大谷の次の登板は、7月6日の可能性が高い。この日の前後を含め、エンジェルスはホームでボストン・レッドソックスと3試合を行う。