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【土浦市】地元消費率95%で県外に出回らない銘酒も。茨城26蔵のお酒が集結、秋おすすめの地酒7選

コイケケイコ土浦在住ライター(土浦市)

JR土浦駅の改札を出て右側の階段を降りたところの左側。地元で人気のスイーツショップやパン屋さんなどが並ぶフロアの一角に「IBARAKI 佐藤酒店」はあります。酒店というだけあってお酒を扱う専門店ですが、いわゆる町の酒屋さんというよりは、バルのような開放感とおしゃれ感も漂っています。

土浦では初となる角打ちのできるスペースもあります(現在休業中)
土浦では初となる角打ちのできるスペースもあります(現在休業中)

ラベルを見るだけでも楽しくてまるでギャラリーのよう

「IBARAKI 佐藤酒店」で取り扱うお酒は、100%茨城のもの。茨城県内には現在30近くの蔵がありますが、そのうちの26蔵のお酒を取り扱っています。お酒は蔵元から直接仕入れ、中にはスーパーマーケットや量販店には並ばない限定流通品も。専門店にしか置かないというこだわりの強い蔵のお酒も買うことができます。

電車の中でのちょい呑みにぴったりのミニサイズも充実しています
電車の中でのちょい呑みにぴったりのミニサイズも充実しています

「茨城のお酒の特徴は、バリエーションが豊富なことです。これは私の見解なのですが茨城は日本を凝縮したような地形をしています。山並みが広がる北側、南側には平野が、東側には海があって、西側は内陸というような感じで。そのおかげで食に恵まれていて、おいしいお酒もできる。26蔵で造っているお酒を全部飲み比べしてみましたが、まったく違う味に仕上がっていて楽しいですよ」と話すのは佐藤栄介さん。佐藤酒店の4代目店主を担っています。

佐藤酒店のスタッフさんに伺いました「この秋おすすめの1本を選ぶとしたら?」

今回お話を伺ったのは「佐藤酒店」の4代目を受け継ぐ佐藤栄介さん(写真中央)と「IBARAKI 佐藤酒店」の店長を務める三森智啓さん(写真右)。倉重南菜子さん(写真左)には、女性におすすめの日本酒のピックアップをお願いしました。

なお、先に謝っておきますが、これからご紹介するお酒はお酒ができあがるまでの背景やストーリーが素敵すぎるため、どうにも短くできず記事は長めです。本当にごめんなさい。でも読んで損はさせませんので、ぜひ最後までお付き合いください。

それではさっそく。まずはスタッフ3名それぞれに「この秋おすすめの1本」ということで選んでもらったのが写真の3本です。

松盛 秋の壱火原酒(写真左)四合(720ml)1760円(税込)

女性スタッフの倉重さんが選んだのは「佐藤酒店」限定のオリジナル。土浦のお米でつくる吟醸酒で季節ごとに味わいが異なります。春は薄濁りでしゅわしゅわ感が楽しく、夏は生酒ですっきりと。そしてこの秋は熟成のひやおろしで。「若手の酒蔵さんがつくる吟醸酒は、ラベルも季節ごとに変わるのでコレクションされる方もいらっしゃいます。女性の方にもおすすめです」

結ゆい 秋酒(写真中央)四合(720ml)1980円(税込)

4代目の佐藤さんが選んだのは、結城市に酒蔵を構える結城酒造の女性杜氏が造った純米吟醸。「女性ならではの感性が生かされた繊細な味わいが魅力です。サツマイモや栗を使ったスイーツとの相性もいいですよ」。口に含んでみると丸みのあるやわらかな口当たりで、飲んだ後は音でいうと「スパッ」というようなキレもまた楽しいお酒です。

月の井 ひやおろし(写真右)四合(720ml)1320円(税込)

「IBARAKI 佐藤酒店」店長の三森さんが選んだのは、大洗町に酒蔵を構える月の井酒造のひやおろし。「月の井は、広島から新しい杜氏さんを迎えて新体制になりました。杜氏さんが変わると味わいががらりと変わってしまうので蔵元としては大きな決断だったと思います。もしかしたらファンが減ってしまうかもしれない、でも新しい挑戦をしていきたいという志を応援したいという想いを込めて選びました」。新しい杜氏さんは、日本トップクラスの技術の持ち主です。新しい取り組みで造られたひやおろしは、お米の旨みをしっかりと楽しめる落ち着いた味わい。熱燗でもおいしくいただけそうです。

30歳の若き蔵元が造る、大注目の酒蔵のおすすめ2ブランド

つくば市に蔵を構える浦里酒造店は、約4年前に6代目にあたる浦里知可良さんが杜氏を務めています。蔵元の年齢はなんと30歳。伝統に培われた技術を大切にしながら、新しい息吹を感じる日本酒は業界内外で注目を浴びています。

霧筑波 首席記念酒 四合(720ml)4400円(税込)

タイトルで紹介した地元での消費率が約95%と驚異的な人気を集める「霧筑波」。県内ではメジャーなお酒ですが県外に出回る前に消費されてしまうため、ほとんど知られていないというミラクルなお酒です。日本各地で酒を醸す南部杜氏たちが技を競う「南部杜氏自醸清酒鑑評会」において、第102回目の「吟醸酒の部」で第1位となる首席を獲得。写真のラベルは首席受賞を記念した限定品です。

浦里 四合(720ml)1650円(税込)

「霧筑波」が県内消費型なら、こちら「浦里」は県外の人たちに知ってもらおうと造ったお酒です。6代目蔵元がイチから手がけた新ブランドで、新しい日本酒のあり方を満喫できます。

女性杜氏が醸す2ブランドに凝縮された優しさとロマン

筑波山の麓に蔵を構える「稲葉酒造」は、150年以上の歴史を誇る老舗です。6代目の蔵元は稲葉伸子さんは百貨店勤務を経て茨城県初の女性杜氏を務めるその人です。

男女川 四合(720ml)1870円(税込)

「男体山と女体山の2つの峰からなる筑波山。男女川(みなのがわ)は、その2つの山の間を流れる小さな川のことです。筑波山の湧き水で丁寧に醸し、しぼりたてを無濾過のまま瓶詰めしています。”旨辛”な味わいが楽しめます」(三森さん)

すてら プレミアム雫酒 四合(720ml)4950円(税込)

「名前の由来がすごく素敵で。蔵元の稲葉伸子さんのご主人は社長を務めているのですが、旧姓を星さんとおっしゃいます。”ステラ”は、ラテン語で”星”を意味する言葉で、このお酒にはご主人の名前を大切にしたいという想いが込められています。記念日やお誕生日など大切な人への贈り物として人気です」(佐藤さん)

長くなってしまいましたが、以上7つのお酒がこの秋におすすめ&注目蔵元のお酒です。

実はこれ以外に梅酒もご紹介したかったのですが、それはまた今度に。角打コーナーのご紹介とともにまた佐藤酒店さんはご紹介できたらと思っています。

店舗情報
住所:茨城県土浦市有明町1-30 JR土浦駅プレイアトレ土浦2F
電話番号:029-811-6790
営業時間:10:00~21:00(営業時間は変更になることがあります)
定休日:JR土浦駅プレイアトレ土浦に準ずる
ホームページ:https://ji-sake-ibaraki.jp/
Instagram:ibarakisatosaketen

土浦在住ライター(土浦市)

土浦市在住のフリーランスの編集・ライター。海外・国内の旅行関連のガイドブックや書籍制作をはじめ、ブライダル情報誌の編集にも携わる。食べること・飲むことが好きで、趣味が興じて最近では食を中心にWEB、紙媒体などで取材執筆活動中。地元土浦の飲食パトロール、歴史やカルチャー学習も積極的に行っています。

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