ゆうちょ銀行の学歴フィルターで騒がしいようですが何を今さらとか逆転方法とかまあ色々と
Fランとかあれこれ言われる東洋卒です
先にお断りしておきますと、東洋大社会学部卒の石渡です。
とある就活関連ブログでは、Fランク大卒とされ、とあるネット業界の大物には、Twitterで
「三流大で就活に成功していない分際で偉そうに」
と書かれてしまいました(苦笑)。
ちなみに、この大物氏に、私が学生時代、そもそも就活をしておらず、就職課に寄ったのは1度だけで(それも友人を呼びに行っただけ)、ガイダンスなどは一切出席していないことを、お伝えすると、話にならないと思われたのか、以降、スルーされてしまいました。
ゆうちょ銀行で学歴差別発生?
という自虐ネタはさておき、ゆうちょ銀行が学歴フィルターをしている、ということで評判のようです。
まとめ記事を読むと、学生が日東駒専クラスと東大、両方でセミナー予約をしようとしたところ、日東駒専クラスでは満席表示。東大では予約可能の表示が出たとのこと。
で、学生はどうしたか、と言えば、Twitter(現在はアカウント削除)で、
「採用受けようかと思ったけどこんなん知ったらやる気起きんわな。」
「学歴は考慮しませんって言ってても結局はこういう事なんだよね。本当嫌な世の中だね。拡散希望だよこれ」
とつぶやいていました。
ナビサイトではよくある仕様なんだけど
まとめサイトでは、「勇気ある告発」とかありましたけど、私としては、「なーんだ」てなものです。
東大など難関大の学生は、ぎりぎりまでエントリーを受け付ける、日東駒専など中堅大の学生は、席は少数しか用意せずあとは満席表示を出して受け付けない、というのはよくある話です。
難関大の学生をいつまで受け付けるか、中堅大の学生の席をどれくらい用意するか(あるいはそもそもしないか)、その割合が企業によって違うだけです。
就活ナビサイトは、仕様として、この設定がいくらでもできるようになっています。
私も一時、取材の一環ということで、ナビサイトの登録をしていました。出身の東洋大と、早稲田大でそれぞれ登録したところ、まあ、色々、面白い結果が。
早稲田大で登録した方にだけ、某製鋼メーカーから「鉄の絵本」なるものが送られてきたり。
東洋大で登録したナビの自己分析・お勧め会社検索ツールを使うと、どう回答しても、ジャパネットたかたが出てきたり。
まとめサイトでは、ゆうちょ銀行は謝罪すべき、とか、あれこれ書かれています。
まあ、何書いてもいいのですが、同じこと、大体の企業はやっていますよ。
謝罪がどうこう、という話ではないと思いますけどね。
メンタルの弱さこそ問題
私は、ゆうちょ銀行のセミナー表示などより、これをわざわざ書き込んだ学生のメンタルの弱さが心配です。
「採用受けようかと思ったけどこんなん知ったらやる気起きんわな。」
「学歴は考慮しませんって言ってても結局はこういう事なんだよね。本当嫌な世の中だね。拡散希望だよこれ」
セミナーの表示は、ゆうちょ銀行に限らず、相当数の企業がやっていることです。
それで、「やる気が起きん」とのことですが、では、相当数の企業は受けないと言うことでしょうか?
「本当嫌な世の中だね」
という書き込みもちょっと理解に苦しみます。
学歴差別があるとして、それをTwitterで書いたところで、この学生は、やる気が出るのでしょうか?学歴差別は解消されるのでしょうか?
あるいは、
「ゆうちょ銀行の闇を暴いた自分、ちょっと格好いい」
とか、思っているとか。
満席でも他のサイト確認でどうにか
ここで、
「どうせ自分も×大だし、学歴フィルターではじかれてしまう」
と落ち込む学生に朗報。
学歴フィルターを潜り抜けるうまい方法があります。
それも、コネとか、体育会系とか、理工系大学院の研究室推薦とか、夏のインターンシップ経由とか、そういうのではありません。
誰でも対応可能な方法です。
まずは、他の就活ナビサイト。
大企業が利用する就活ナビサイトは一社だけ、という企業は少なく、大体は2社、3社と使っています。
まあ、よくあるパターンはリクナビと、もう1社か2社、どこか、というものですね。
ここで、リクナビで満席が出ていたとしましょう。
ところが、同じ日程でも、全部リクナビで受ける、という企業もあれば、他のナビ(マイナビ、日経ナビなど)にも、割り振っている、という企業もあります。
ある商社の採用担当に取材したところ、
「リクナビではすぐ満席になっても、他のナビでは、しばらく空席が続いた、ということもあります」
とのこと。
似た話は別の企業でも聞きました。
一番の抜け道は電話、押しかけ
ただし、他のナビサイトでも満席表示が出ている場合はどうすればいいか。
実に簡単で、電話をかけることです。それでだめなら当日、さらに押しかけて拝み倒す、と。
詳しくはYahoo!個人の以前の記事に書いたのでそちらをどうぞ。
このネタ、散々あちこちで書いていて、しかも似たような話、私だけでなく、キャリアカウンセラーや大学就職課職員なども結構しています。
私の知る限り、この方法を取った学生がセミナー・説明会に参加できた率は、ざっと6~7割。
そこから、内定に至った学生もいます。
16卒、実は学歴フィルターが相当ゆるい?
でも、金融は、ゆうちょ銀行に限らず学歴フィルターが相当ある、現に自分がそうだった、という方もいるでしょう。
その経験談は間違っている、とは言いません。
特に、就職氷河期だった、2005年卒以前、それとリーマンショック後に低迷していた2009年卒~2012年卒あたりは、金融業界は採用者数を抑制していました。
この時期だと、学歴フィルターを相当強めていたことは事実です。
しかし、2013年卒あたりから、学生の売り手市場に転じ、それは現4年生の2016年卒でも続いています。
金融業界も、学歴差別だけでは到底、採用予定数に達しません。
そこで、就職氷河期では相手にしていなかった大学も対象とするように変化しています。
つまり、学歴フィルターは、今年の16卒については就職氷河期の過去よりも、かなりゆるくなっているのです。
自分の出身大を嘆く前に
冒頭でもお伝えしたように、私の出身大は東洋大という偏差値が決して高からぬ大学です。
ライターとして扱う題材が大学、就活ということもあり、かなりの頻度で、出身大を理由とするご批判をよくいただきます。
ま、私は、悪名もまた名なり、が信条なので(言い方を変えれば炎上商法という罠)、右から左と。
社会に出れば、自分の出身大など無関係になることがほとんどです(ゼロとは言いません)。
出身大がどうこう、というよりは、実力がモノを言う世界です。
そして、大学と社会の中間点である就活も、そう大きくは変わりません。
学歴差別があると嘆く前に、ダメ元の電話はしましたか?
新聞や本や週刊東洋経済を読んで読解力を上げる努力はしていますか?
OBや社会人と話す機会を増やそうとしていますか?
コネがない、OBもいないと言うなら、次の手がないか、考えましたか?
適性検査の勉強はちゃんとしていますか?
あれがない、これがない、と嘆く前に、できることはいくらでもあるはずです。
そして、実際に、行動力を増やして努力した学生は、東洋大でも、他の中堅大でも、地方私大でもちゃんと結果を出しています。
無力感に襲われてあきらめたら、そこで終わりです。
中堅私大出身者としては、学歴差別かあ、と無力感に襲われそうになっているあなたにこそ、頑張ってほしいと思う次第です。