MLBに新たなトレンド!? シーズン開幕前に契約延長するベテラン選手が続出するワケ
【シーズン開幕前に契約延長ラッシュが続くMLB】
マイク・トラウト選手が現地20日に、年俸総額、平均年俸額ともにMLB史上最高額(12年総額4億2650万ドル)でエンゼルスと契約延長に合意したことで大きなニュースになったばかりだが、実はMLBではベテラン選手たちの契約延長が相次いでいる。
チームの正式発表順に見ていくと、まずレイズが21日にブレイク・スネル投手との契約延長(報道ベースで5年総額5000万ドル)を発表し、次いでアストロズがアレックス・ブレグマン選手(同5年総額1億ドル)、ホワイトソックスがエロイ・ヒメネス投手(同6年総額4300万ドル)、レッドソックスがクリス・セール投手(同5年1億4500万ドル)、カージナルスがポール・ゴールドシュミット選手(5年総額1億3000万ドル)――の契約延長に合意している。
さらに23日になって、ジャスティン・バーランダー投手がアストロズと2年総額6600万ドルで契約延長したと報じられており(すでにアストロズ広報から記者会見開催のリリースが届いているので契約合意はほぼ確定的)、またメッツもスプリングトレーニング中、ジェイコブ・デグロム投手と契約延長の交渉を続けているといわれている。
【ラッシュの契機となったのはノーラン・アレナド?】
わずか4日間の短い期間で、セール投手やバーランダー投手ら大物を含めこれだけの選手たちが契約延長に合意しているのだ。ただトラウト選手以前にも、このスプリングトレーニング中は多くの選手が契約延長に合意している。ライアン・プレスリー投手(アストロズ)、ブランドン・ロー選手(レイズ)らも、そうした選手たちだ。
中でも注目を集めたのが、スプリングトレーニング開始早々にロッキーズと契約延長に合意したノーラン・アレナド選手だろう。その契約内容は平均年俸額3000万ドルを超える7年総額2億6000万ドルというもので、FA権取得前でもFA選手並みの大型契約を得たという事実は衝撃的に迎えられた。
【停滞続きのFA市場が選手の意識を変化させた?】
これだけ多くの選手たちが契約延長に合意しているのは、この2年間すっかり冷え込んでしまったオフのFA市場と無関係ではないだろう。大物選手といえども契約交渉は難航を極め、今なおダラス・カイケル投手とクレイグ・キンブレル投手の所属先が決まっていない。
さらにカルロス・ゴンザレス選手やジオ・ゴンザレス投手、メルキー・カブレラ選手等々、多くの実績あるベテラン選手たちが結局マイナー契約しか結べていない状況を考えれば、選手たちがFA市場に危機感を抱き始めたとしても仕方がないところだろう。
そんな状況下でアレナド選手、トラウト選手がFA選手以上の大型契約で契約延長に成功したことで、今後さらにFA権取得前に契約延長に応じる選手が増えていきそうだ。
もうFA市場に明るい未来はないのだろうか。