イギリス海軍が中国に対抗する目的で、2隻しか保有していない空母の片方を極東に「常駐」させる考えがあるという驚くべき話をタイムズ紙が7月14日に報じました。
キッド中将は匂わせるような発言で断言はしておらず、海軍としての決定事項ではありませんが、これは空母の極東への常駐配備の可能性を示唆しています。一体どこへ配備する気なのでしょうか? 軍事同盟の5カ国防衛取極(イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、シンガポール)の中から何処かである可能性が高く、シンガポールかオーストラリア、防御的な面を考えるとオーストラリアが第一候補に挙がります。
しかしキッド中将は「イギリス空母の搭載しているF-35戦闘機は日本の整備拠点で面倒を見てもらう」という話をしている点が気に掛かります。アジア太平洋でのF-35整備拠点(本格的な重整備が可能)は日本とオーストラリアの二カ所がアメリカから指定されているので、オーストラリアに空母を配備する気なら戦闘機はオーストラリアの整備拠点で面倒を見てもらう筈ですが、そうではないので、空母の配備場所はシンガポールを考えているのかもしれません。
イギリス海軍のクイーン・エリザベス級航空母艦1番艦「クイーン・エリザベス」、2番艦「プリンス・オブ・ウェールズ」のどちらかが極東に常駐配備される可能性があります。ただしあくまで可能性の話で、具体的な計画としてはまだ決定されていません。
なお空母クイーン・エリザベスが演習で派遣され一時的に極東に展開する計画の方は、決定事項です。