NPB通算200セーブ以上の10人中6人はMLBでも登板。松井裕樹は7人目に。これまでの成功例は…
日本プロ野球(NPB)で通算200セーブ以上を挙げた投手は10人いる。彼らのうち、過半数の6人は、メジャーリーグ(MLB)でも投げている。
NPBで286セーブの高津臣吾、252セーブの佐々木主浩、243セーブの藤川球児、242セーブの平野佳寿(オリックス・バファローズ)、234セーブのデニス・サファテに、228セーブの小林雅英がそうだ。
来シーズン、236セーブの松井裕樹も、そこに加わるはずだ。今オフ、松井は海外FA権を行使した。MLBの球団と契約を交わすのは、まず間違いない。
これまでの6人のうち、サファテは、2006~09年にMLB、2011~18年にNPBで投げた。MLBでは通算92試合に登板し、119.1イニングで奪三振率9.88と与四球率6.11、防御率4.53を記録した。
サファテ以外の5人がMLBで記録した、各シーズンのスタッツは、以下のとおり。
佐々木は、2000年から2002年まで、3シーズン続けて35セーブ以上を挙げた。このスパンの計119セーブは、ロブ・ネンの129セーブとトレバー・ホフマンの124セーブに次いで多かった。
2004年の高津は、6月12日に挙げたMLB初セーブを皮切りに、以降の38登板で19セーブを挙げた。それまでクローザーだったビル・コッチは、24登板で防御率5.40を記録し、6月17日にトレードでフロリダ・マーリンズへ移った。ちなみに、コッチと交換にシカゴ・ホワイトソックスへ移ったウィルソン・バルデスは、2008年に東京ヤクルト・スワローズで29試合に出場した。高津がNPBに戻り、東京ヤクルトで投げたのは、その前の2006~07年だ。
2018年の平野は、アーチー・ブラッドリーとともに、クローザーのブラッド・ボックスバーガーにつなぐセットアッパーを務め、両リーグ3位タイの32ホールドを記録した。
5人合わせて計14シーズンのうち、60イニング以上は、この5シーズン――2000~02年の佐々木、2004年の高津、2018年の平野――だけ。イニングを問わず、シーズン防御率3.30未満も、他にはない。あとの9シーズンは、いずれも防御率4.00を超えている。
MLBで投げる前の3シーズンに、NPBで5人(と松井)が記録したスタッツは、以下のとおり。
サンプル数が5人と少ないこともあるが、渡米直前のNPB3シーズンとMLBのスタッツに、相関関係は見つからなかった。藤川は、2013年6月にトミー・ジョン手術を受けるなど、MLBでは怪我に泣かされた。
なお、これまでの5人と松井には、大きな違いがある。5人のMLB1年目は、佐々木と藤川が32歳、小林と平野が34歳、高津は35歳だった(6月30日時点の年齢)。それに対し、来シーズンの松井は28歳だ。