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トランプ政権と中東(6)

高橋和夫国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

 それから3つめの問題はイランの問題です。イランの問題がある意味ではトランプ政権がオバマ政権と一番違うところかなと思います。2002年にイランに核開発が暴露されて以来、問題になっています。イランは平和利用だと言っていますが、国際社会の方は軍事利用を疑っています。イランとアメリカが対立しました。絶対にイランの核兵器保有は許さない。オバマは「戦争をしてでも、それを止める」と言っていたのですね。ところが2015年、妥協が成立して、イラン核合意というものが結ばれたわけです。アメリカなどの大国はイランに対する経済制裁を止める。イランは核開発に関して、大幅な制限を受け入れる。そして厳しい査察を受け入れる。だから誤魔化して原子爆弾を造ることはないですよと。そういうことで、やれやれ戦争が避けられたという安堵感が湧きました。

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国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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