スイカを餌にして本当に魚は釣れるのか?釣り界隈にまつわる都市伝説を検証してみた
YouTubeチャンネル「ぬこまた釣査団」を運営している大西と申します。
早速ですがスイカをエサにした釣りが存在することをご存じだろうか。房総半島や三浦半島ではスイカをエサにしてクロダイを狙う釣法がある。昔は釣り雑誌に載るほどメジャーな釣りだったそうだが、現在では雑誌はおろか広く情報を得やすいSNSでも見かけることはない。
スイカの高騰やクロダイ釣りに使う配合餌が安く手に入るおかげでスイカ釣り自体が風化してしまったのだろう。奇想天外な発想の釣りだけに自分で確かめたい気持ちがひしひしと湧いてきた。今回はもはや伝説的な存在であるスイカ釣法でクロダイは釣れるのか、その真相を追ってみたい。
■スイカを刻んで撒くダイナミックな釣り
スーパーでひと玉3000円の大玉を購入した。大人になった今でもスイカをひと玉で購入したことはなくまさに大人買いで驚いている。
これを全て1.5センチほどのサイコロサイズにカットし、海に撒いてクロダイを寄せるわけだ。甘くて美味しい赤身の部分は撒き餌にして、皮に近い白い部分は針にかける付け餌にする。グラニュー糖をまぶして甘味を追加する方もいるそうだが、かけすぎると比重が重くなり沈んでしまうため様子をみながら調整する。
■半信半疑でカットスイカを撒いてみると…
釣りのメカニズムとしてはカットスイカは浮力があるため海に撒くと海面にぷかぷかと浮かびながら流されていく。
そこにクロダイが浮上して流されるスイカを海面で波紋を立てながら捕食するそうだ。湧いた様子が視覚で確認できる面白さがある。
ウキ釣り仕掛けを組んで早速スイカを撒いてみると、最初こそ反応しなかったものの20分ほど経過したところで海面に「モワッ」っと波紋が広がった。
すると周辺でも捕食が始まった。正体は確認できないもののこれはクロダイの捕食ではないだろうか…。期待に胸を弾ませながら付け餌を投入した。
■都市伝説は実在した!
仕掛けの付近にもう一度コマセを投入して付け餌とのカモフラージュを試みる。すると浮きが視界から消え、すぐさま大きな魚に引っ張られた!ズシッとした重さと釣られまいと抵抗する力強さは大型魚そのもの。慎重にやりとりをして釣り上げるとなんとクロダイであった。
メタリックに輝く銀狼という名にふさわしいクロダイ。40センチはゆうに超えている。群れで捕食するほどスイカを餌と認識しているのだろう。都市伝説ではなかった。
■スイカ釣りは趣向を楽しむ釣り
スイカでクロダイが釣れることはわかったが、やはりスイカは配合餌などと比べると割高であることや釣り場を限定してしまうことなどハードルの高い釣りであることは間違いない。ゆえに現代では選択肢から外れてしまったのだろう。しかし釣りは趣向そのものを楽しむものと考えている。スイカが店頭に並ぶ夏の時期にまた一風変わった釣りを楽しみたい。