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参院選 九州・沖縄の情勢分析=JX通信社 全45選挙区情勢調査

米重克洋JX通信社 代表取締役
沖縄県は、知事選や那覇市長選をはじめ注目の首長選が多く「選挙イヤー」となる(写真:イメージマート)

JX通信社は、夏の参院選に向けて、全国に45ある全ての選挙区で独自に情勢調査を実施し、有権者の動向を探った。

調査は、4月23日から25日にかけて、無作為に発生させた電話番号に架電するRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)方式で実施し、全国45選挙区で計26,722人から回答を得た。JX通信社では、この調査データをもとに、態度未定者の動向を予測するモデルで想定得票率などを算出し、その結果を加味して、現時点における全ての選挙区の情勢分析をまとめた。

本稿では、そのうち九州・沖縄の各選挙区ごとの情勢分析を紹介する。

※全国的な情勢や、他の地域の情勢分析は下記記事をご参照ください

参院選全45選挙区情勢分析 一人区の7割以上で自民先行=JX通信社 情勢調査

※2022年4月23日から25日にかけての3日間の情勢調査に基づく。
※2022年4月23日から25日にかけての3日間の情勢調査に基づく。

福岡県(定数3/2019年参院選:自公立)

自民現職の大家敏志氏、立憲現職の古賀之士氏、公明現職の秋野公造氏に加え、調査時点では未発表の維新の候補が争っている。共産新人の真島省三氏、連合福岡が古賀氏と並んで推薦した国民新人の大田京子氏、れいわ新人の奥田ふみよ氏が追っている。維新の候補は県全体で無党派層の支持を引きつけている。擁立の状況次第で大きく情勢が変わり得る。

佐賀県(定数1/2019年参院選:自)

自民現職の福岡資麿氏が一歩リードし、調査時点では未発表の立憲の候補が追っている。立憲県連代表の原口一博衆議院議員は、候補擁立を明言している。

長崎県(定数1/2019年参院選:自)

自民新人の山本啓介氏がリードし、立憲新人の白川鮎美氏が追っている。共産新人の安江綾子氏が続いている。なお、4月23日から25日までの調査期間の直後に維新が山田真美氏の擁立を発表したため、山田氏は今回の調査の対象には含まれていない。

地域別に見ると、山本氏が全県でリードしており、白川氏は地元の佐世保市を含む県北でもリードを許している。

熊本県(定数1/2019年参院選:自)

自民現職の松村祥史氏がリードしており、立憲新人の出口慎太郎氏が追っている。阿蘇地方では出口氏が松村氏に迫っている。

熊本県では、元五輪選手で熊本県議を辞職した松野明美氏が維新から全国比例での出馬を表明している。この影響か、態度決定者のうち1割強が比例投票先として維新を挙げており、九州・沖縄地方で最も高くなっている。

大分県(定数1/2019年参院選:無所属)

自民新人の古庄玄知氏がリードし、国民現職の足立信也氏が追い上げる。共産の山下魁氏と無所属新人の小手川裕市氏が続く。

2016年の参院選では、足立氏が1,090票差で古庄氏に辛勝した。足立氏は無党派層や維新・国民支持層から支持を集める一方で、地域別に見ると北部や西部で古庄氏にリードを許している。

宮崎県(定数1/2019年参院選:自)

自民現職の松下新平氏が一歩リードし、立憲新人の黒田奈々氏が追い上げている。共産新人の白江好友氏、国民新人の黒木章光氏が続いている。

調査時点で態度を明らかにしている無党派層の約半数は黒田氏を支持しており、北部では松下氏と互角に立っている。

鹿児島県(定数1/2019年参院選:自)

自民現職の野村哲郎氏がリードし、立憲新人の柳誠子氏が追っている。共産新人の山口広延氏が続く。

無党派層では柳氏が上回っているが、野村氏は全体の4割を超える自民・公明支持層や維新支持層から支持を集めている。

沖縄県(定数1/2019年参院選:無所属)

無所属現職でオール沖縄勢力が支援する伊波洋一氏と自民新人の古謝玄太氏が激戦を繰り広げている。伊波氏は社会保障・医療・介護を重視する層、古謝氏は経済・雇用を重視する層からそれぞれ支持を集めている。外交・安全保障を重視する層ではほぼ互角だ。

沖縄本島では伊波氏がやや優位に戦いを進めている一方、古謝氏は宮古島地方や八重山地方で支持が厚い。

JX通信社 代表取締役

「シン・情報戦略」(KADOKAWA)著者。1988年(昭和63年)山口県生まれ。2008年、報道ベンチャーのJX通信社を創業。「報道の機械化」をミッションに、テレビ局・新聞社・通信社に対するAIを活用した事件・災害速報の配信、独自世論調査による選挙予測を行うなど、「ビジネスとジャーナリズムの両立」を目指した事業を手がける。

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