アイドルもモデルも格差くっきりとなる韓国芸能界の知られざる年収事情
格差社会が何かと問題視されている韓国だが、最近は芸能界でも“勝ち組”と“負け組”の差が顕著に表れているらしい。韓国芸能界も所得格差が深刻なのだ。
10月17日、国会企画財政委員会のパク・グァンオン議員によって公開された国税庁の資料によると、韓国芸能界の上位1%に当たる歌手46人は平均42億6400万ウォン(約4億2640万円)、俳優158人は20億800万ウォン(約2億80万円)、モデル82人は5億4400万ウォン(約5440万円)の年収を稼ぐという。
最近、日本でも本格的に活動を再開した東方神起などは、間違いなくこの上位1%に入るだろう。
何しろ彼らの活動再開によって、所属するSMエンターテインメントの今年下半期売り上げ予想が1940億ウォン(約194億円)にもなると言われているのだ。仮にその5%しか彼らの収入になないとしても、「上位1%」のトップクラスになる。
(参考記事:ドラマ『明日の約束』主題歌にも起用。東方神起はなぜ、日本での活動に力を入れるのか?)
しかも、最近の芸能人たちは本業の収入だけでなく、副業や財テクに勤しむ者たちも少なくない。
財テクに勤しむK-POPアイドルたち
よく耳にするのは“不動産投資”だろう。
実際に元KARAのク・ハラとハン・スンヨン、“国民の初恋”と呼ばれるMissAのスジなど、若くして人気を獲得したK-POPアイドルたちがビルを買い取り、賃貸収入を得ているのは周知の事実でもある。
(参考記事:少女時代、KARAが実は財テクのプロだった!K-POPアイドルの不動産投資事情)
上位10%まで範囲を広げれば、歌手は7億3200万ウォン(約7320万円)、俳優は3億6700万ウォン(約3670万円)。一般庶民の感覚では、ただただ凄いとしか言いようがない金額だろう。
ちょっと古くなるが、昨年10月に韓国統計庁が発表した『2016年上半期地域別雇用調査・就業者の産業と職業別特性』資料によると、韓国に1946万7000人いると言われるサラリーマンのうち、月収「100万ウォン(約10万円)未満」が11.2%、「100~200万ウォン未満」が34.6%を占めるという。
つまり、韓国サラリーマン全体の45.8%が200万ウォン(約20万円)未満の月収で働いているというわけで、そんな庶民の立場からすると韓国芸能界の上位10%は、“大富豪”のように映るだろう。
モデルやレースクイーン業界も貧富くっきり
ところが、それはあくまでも上位10%の話に過ぎない。上位10%に含まれない大多数の芸能人たちは、一般的なサラリーマンよりも低い年収を得ている場合が多いというのだ。
というのも、冒頭で紹介した国税庁の資料によると、下位90%に当たる歌手の平均年収は870万ウォン(約87万円)、俳優は620万ウォン(約62万円)だったという。つまり、年収100万円にも及ばない。
モデルに至っては年収270万ウォン(約27万円)という深刻なレベルで、その仕事だけで生計を立てるのはどう考えても無理だろう。
モデルの中には、その豊満ボディが中国人実業家の目に留まり、結婚までしたムン・セリムのようなシンデレラもいるが、大半が本業のモデルだけでは生活できないと言われている。
レースクイーン業界でも超トップクラスになると年間1億ウォン(約1000万円)ほど稼ぐ者もいるが、平均すると3000万ウォン~4000万ウォン(約300万円~約400万円)ほどで、年齢が30代になると仕事が激減するというのだ。
(参考記事:セクシーで華やかなのに生存競争がエグい韓国レースクイーンのリアルな現実)
ちなみに男女の差もあった。男性歌手は女性歌手より約2.8倍、男性俳優は女優よりも約1000万ウォンほど収入が多い。ただ、モデルの場合は女性のほうが男性より約200万ウォンほど多かった。
上位1%が、下位90%の324倍の所得を得る。両極化が激しく、チャンスは少ない韓国芸能界だけでは先行きが暗いので、多くの韓国芸能人たちが日本や中国といった海外に目を向けるのも当然かもしれない。