エボラ出血熱感染防止に資金難:寄付する心理しない心理
■エボラ感染拡大防止にピンチ、2月に資金尽きる恐れ-WHO
エボラ出血熱。この言葉を知らない人は少ないでしょう。でも、日々の多忙とあふれるニュース、情報の中で、関心は薄れつつあったかもしれません。エボラ出血熱感染のピークは過ぎた、リベリアでは非常事態宣言が解除された、日本ではそれほど怖がる必要はないというニュースも昨秋流れました。
しかし昨年末には「エボラ熱、リベリアが抱える新たな課題―遠隔地対応」というニュースも入っています。「シエラレオネでは依然猛威」との報道もありました。これらの国でも今年に入ってから患者が減少という報道もありますが、感染防止の努力は続けられなければなりません。
■寄付するとき・しないとき:心が動くとき
私達は、時として大きな出来事にかえって心が動かされないことがあります。何万人もの犠牲者といったニュースを知っても、実感がわかないからです。家族5人が乗った車が遊園地の帰りに事故にあい、4人が死亡しましたといったニュースには、心が動き、反応するのですが。
そこで、人々の心を動かし、行動してもらうために、統計の数字ではなく、名前や顔が分かる「個人」を登場させます。ニュースやドキュメンタリーで、がんばっている人、苦しんでいる人に出演してもらい、その方々の思いや、事情を教えていただくわけです。
ある町で被害があったときに、そこに友人や親戚がいれば、感じ方は全く違うでしょう。一度でも訪問したことがあるなら、印象は違うでしょう。ドラマや小説などでなじみがあるだけでも、わいてくる感情は違うでしょう。
残念ながら、アフリカといっても、なかなか具体的で豊かなイメージがわきません。でも、現代の私達は、その距離の壁を超えつつあります。
18世紀に活躍したルソーは、語っています。
「人道主義の精神は、世界全体に広げると薄まり、弱まってしまうようだ。私たちヨーロッパ人は日本で起きた災害に、ヨーロッパを襲った災害と同じだけの衝撃を受けるわけではない」。
たしかに、遠くの出来事は印象が薄れます。けれども、21世紀に起きた東日本大震災のときには、世界が衝撃を受け、ヨーロッパを始め世界中から多額の義援金が集まりました。
■エボラ出血熱募金先
私達の行動は、小さなことで影響を受けます。たとえば被害の大きさを講演会で聴き、その講演会場に募金箱があれば募金をします。ところが、振り替え用紙を手渡されると、なかなか郵便局には行けません。心は動いたのですが、行動を起こすチャンスが来る前に、また心が戻ってしまったのです。
エボラ出血熱感染防止募金は、様々なところで行われています。
3000円で、防護服1枚を用意できます。
3000円で、子どもと家族を感染から守る衛生用品セットを2家族分買えます。