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間も無くゴング!WBCスーパーミドル級2位が故郷のリングに

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Mikey Williams/Top Rank

 今年5月に統一スーパーミドル級チャンピオン、サウル・"カネロ"・アルバレスに挑戦した元WBOスーパーウエルター級王者のハイメ・ムンギア。幼少時代からのアイドルに0-3の判定負けを喫し、身をもってその差を味わった。第4ラウンドには右アッパーを顎に喰らってダウンも経験。同ファイトはムンギアにとって、プロ生活初黒星となった。

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 だが、28歳の彼は負けを肥やしにすべく9月の再起戦で10回KO勝ちを飾る。そして数時間後に故郷、メキシコ・ティファナのリングに上がる。母国でスターとなったムンギアは、エスタディオ・カリエンテで行われる興行のメインイベンターとして、無敗のブルーノ・スレースと対戦するのだ。

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 両者共に169.1パウンドで前日計量をパスした。

 44勝(35KO)1敗のムンギアにとって、今夜は2024年における4度目の試合である。ティファナでのファイトは2022年2月以来である。

 対戦相手のスレースは、フランス、マルセイユ出身、戦績は25勝(4KO)無敗2分。キャリア初期に2度引き分けた後、22連勝を飾っている。スレースは今回初めてフランスを離れて戦うことになる。昨年12月に無敗のジョン・ジェイダー・オブレゴンを相手に最終ラウンドTKO勝ちを収め、EBUシルバーのミドル級タイトルを獲得。とはいえ、丸1年のブランクがあり、スーパーミドルに上げてのムンギア戦だ。<斬られ役>として選ばれたことは間違いない。

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 ムンギアは、試合2日前の記者会見で語った。

 「スレースは、多くのコンビネーションを放つ強い選手だ。その点を警戒している。俺は彼を研究してきたし、積み重ねたことに自信を持っている。勝者としてリングを降りるよ。

 もし、どのラウンドで彼をノックアウトできるか分かっていたら、全財産を賭けに投じるさ。でも、分かりっこない。ただ、ノックアウトを狙うことは確かだ。

Mikey Williams/Top Rank
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 この大きなスタディアムで戦うのは、大きなプレッシャーだ。メキシコ国民全員が注目しているからね。たくさんの感情が俺を後押ししてくれるだろう。上手くコントロールし、賢明な戦いをしなければ。ファンに素晴らしいショーを見せる。その準備は万端だ。

 我がチームはすべてのことに集中しなければならない。もちろんボクシングスキルの向上が最重要課題だが、肉体的なコンディショニングや精神面の充実も忘れちゃいけない」

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 さて、間も無くゴングだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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