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パリパラリンピック女子車いすバスケ日本代表「FEARLESS JAPAN」下剋上で未来をつかめ!

佐々木延江国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表
8月5日、壮行会で行われた紅白戦 写真・PARAPHOTO/地主光太郎

8月5日、パリ2024パラリンピック女子車いすバスケットボール日本代表チームの壮行会が、選手の合宿するナショナルトレーニングセンターイースト(東京都北区)で開催され、それぞれが現地での戦いに向けて決意表明した。

日本からパリへ行くのは、キャプテン北田千尋を筆頭にした12名のアスリート、スタッフ、そして、20名の国際技術審判員(ITO)の一人に選ばれた二階堂俊介氏の21名である。

女子が未来を変える

4月の大阪で開催された最終予選で、日本はカナダ、ドイツ、スペインとともにパリ行きの切符を獲得。2008年北京大会以来、16年ぶりの自力出場を決めた。

東京パラリンピックでは、開催国枠の出場で、男子が銀メダルを獲得する一方で、女子はメダルがなかった。キャプテンの北田千尋は、「女子も自分たちの力で車いすバスケを変えたい。それは世界選手権ではなく、パラリンピックだ」という強い思いを胸に、この3年間チームを率いてきた。

紅白戦は14-14の引き分けに終わった 写真・PARAPHOTO/地主光太郎
紅白戦は14-14の引き分けに終わった 写真・PARAPHOTO/地主光太郎

東京からパリへ、強豪8カ国がひしめく!

車いすバスケットボールは、男子は1960 年ローマ(イタリア)大会から、女子は1968年テルアビブ(イスラエル) 大会から導入され、現在108カ国でパラリンピックを目指し競技が行われている。多くのパラリンピックファンを集めてきたシンボルとなるスポーツだ。

東京大会を最後に競技フォーマットが変更され、参加国枠が男女とも8カ国に減少し狭き門となった。ホスト国枠がなくなり、最終予選に敗れた女子フランスチームがホスト国での出場を逃した。

パリパラリンピックへの出場国は、2022車いすバスケットボール世界選手権の結果をベースに、従来のゾーンに出場権を割り振った4カ国に加え、大阪の「最終予選」で選出された4カ国、イギリス、オランダ、アメリカ、中国、カナダ、スペイン、ドイツ、日本の8カ国となった。ヨーロッパからの出場が半数を占め、 結果として南半球からは男子も含め出場がない。(多様な背景のチームが競争し合うことを目指すスポーツでは、このシステムは道なかばなのかもしれない。)

4月、Asueアリーナ大阪で行われた最終予選の観客席 写真・PARAPHOTO/薮功也
4月、Asueアリーナ大阪で行われた最終予選の観客席 写真・PARAPHOTO/薮功也

8月29日からパリ・ベルシー・アリーナで始まる試合は、4チームずつ2グループに分かれて予選ラウンドが行われ、その順位によってクロスオーバーでの決勝トーナメントが行われる。

日本は、予選ラインド「グループB」で、2018年世界選手権以来、東京パラリンピックでの金メダルを含む主要3大会の連覇を制しているオランダ、東京パラリンピックで銅メダルを争ったアメリカ、ドイツと、強豪との戦いが待ち受けている。

初戦は8月30日、王者オランダとの対戦だ。

東京2020パラリンピックで優勝したオランダ代表
東京2020パラリンピックで優勝したオランダ代表写真:ロイター/アフロ

オランダでの直前合宿、世界王者との強化試合

日本代表チームは8月19日に日本を出発し、オランダのナショナルトレーニングセンター(パペンダル)で事前合宿を行う。世界チャンピオンのオランダチームとの強化試合も3試合予定されており、最終戦(8月22日18:15試合開始)は観客を入れて本番さながらの試合となる予定で、オランダのバスケットボール協会のページでチケットが発売されている。

オランダの3人

オランダは、今や世界111カ国が挑む車いすバスケットボールの最も注目されるチーム「オレンジライオン」だ。イツケ・フィッサー(Jitske Visser)、マリスカ・バイエル(Mariska Beijer)、ボー・クレイマー(Bo Kramer)はスター選手と言える。

ベテランのフィッサーは、IPCアスリート評議会の会長でもあり世界を代表するプレーヤーとして有名で、マリスカ・バイエルと若手のエース、ポー・クレイマーは、2019年東京の特別支援学校に招かれ日本との交流も行われた。バイエルもまたパリでIPCアスリート評議委員への立候補を表明している。

東京2020パラリンピック6位に入賞した日本代表
東京2020パラリンピック6位に入賞した日本代表写真:YUTAKA/アフロスポーツ

大胆不敵に挑む「FEARLESS JAPAN」の挑戦

日本は北京2008での4位がこれまでの最高で、世界一の座を獲得したことはない。しかし、素晴らしい東京パラのチャンピオン、オランダに挑戦する彼女たちの姿は、まさに「FEARLESS」だ。恐れずに、大胆不敵に挑む姿勢を貫いてほしい。その顔ぶれは、チーム最年少16歳の小島瑠莉から47歳の土田真由美など年齢層が幅広い。北京パラリンピックを経験した網本麻里をはじめ、世界選手権、アジア選手権、U25など大会経験も多様で、武器は、スピードとチームワークだ。ジャイアントキリングを起こせるか。彼女たちの挑戦から目が離せない。


(校正 パラフォト・丸山裕理、地主光太郎 この記事は、PARAPHOTO2024パリ取材プロジェクトの編集サポートで作成されました)

国際障害者スポーツ写真連絡協議会パラフォト代表

パラスポーツを伝えるファンのメディア「パラフォト」(国際障害者スポーツ写真連絡協議会)代表。2000年シドニー大会から夏・冬のパラリンピックをNPOメディアのチームで取材。パラアスリートの感性や現地観戦・交流によるインスピレーションでパラスポーツの街づくりが進むことを願っている。

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